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  我が国における産業活動の革新等を図るための産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案に対する

附帯決議

  

 政府は、最近における資源価格の不安定化及び世界的な金融危機等による経済の急激かつ構造的な変化にかんがみ、当面の経済運営に政策を総動員して対処するとともに、我が国の産業活力の再生を確実なものとし、持続的な成長を可能とする新たな産業構造を構築するため、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

 

一 株式会社日本政策金融公庫による指定金融機関に対する損失補てんの仕組みについては、指定金融機関から一般事業会社への出資に公的資金を活用する異例の措置であることにかんがみ、早急に支援決定の具体的な基準及び手続に関し告示等で明文化するものとし、公正性及び透明性の確保を図りつつ、慎重かつ限定的な運用に努めるとともに、安易な企業救済により事業者のモラルハザードを招くことのないよう配慮すること。なお、危機対応業務をはじめとする政策金融については、今後の経済情勢の推移等を踏まえつつ、必要があると認められるときは、その在り方についても検討を加えるよう努めること。

 

二 中小企業の再生支援に当たっては、追加された仕組みを含め、関係者に広く周知するよう引き続き努力するとともに、経営の強化に寄与する人材の育成・確保及び海外事業の展開のための支援施策の充実強化に取り組むこととし、これらの事項に関する方針を中小企業再生支援指針において明確化すること。

 

三 事業再構築など既存の計画、資源生産性革新、中小企業承継事業再生など新たな計画の全てについて、計画に伴う失業の予防等雇用の安定に万全を期するため、計画の作成に当たり、事業者が労働組合等と協議により十分に話し合いを行い、また、計画の実施に際して、事業者が雇用の安定等に十分な配慮を行うことを確保することにより、労働者の雇用の安定に最大限の考慮を払いつつ当該計画が実施されるよう、厳に適切な運用を行うこと。

 

四 中小企業承継事業再生計画については、人員削減が主たる目的とならないこと、第二会社に移行しない労働者がいる場合はその選定が恣意的にならないよう、労働組合等と協議により十分に話し合いを行うことを要件として認定をすること。

 

五 中小企業承継事業再生計画については、第二会社方式による事業再生の対象となる中小企業者(特定中小企業者)について、第二会社に移行する労働者の労働契約及び労働条件が不当に切り下げられることのないよう、また、第二会社に移行しない労働者がいる場合にはその雇用の安定に努めるよう、労働組合等と協議により十分に話し合いを行うことを要件として認定をすること。

 

六 事業再構築等の計画認定を受けた企業に対して指定金融機関が行う出資に対する日本政策金融公庫の損失補てん制度の運用に当たっては、雇用の安定等に十分な配慮を行うことを前提とし、対象事業者の選定について、然るべく基準を明記すること。

 

七 株式会社産業革新機構については、過去の類似施策の検証の上に立ちつつ、民間の目利き人材の十分な確保及びその積極的活用等を図り、出資対象の審査を継続的かつ厳格に実施する体制を整備するとともに、事業内容等に対する厳正なチェック機能を確立し、出資の保全・回収が確保されるよう努めること。

 

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