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高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。

 

一 本法の基本理念に則り、社会的障壁の除去のために合理的配慮について理解が深まり的確に提供されるため、必要な環境整備を推進すること。

 

二 障害者が公共交通機関の利用において、様々な制約が存在する状況に鑑み、障害者権利条約の理念を踏まえて移動の権利について検討を進めること。

 

三 インクルーシブ教育の推進及び災害時の避難所として利用する必要性から、設置主体の別、規模を問わず、高校、大学も含めた全ての学校施設のバリアフリー整備を推進すること。

 

四 公立の小中学校が災害時の避難所になっているケースが多いことに鑑み、既設であっても、数値目標を示し、そのような施設のバリアフリー化を積極的に進めること。また、既設の公立小中学校のバリアフリー化に対する財政支援を充実すること。

 

五 移動円滑化基準適用除外認定車両を見直し、鉄道のない地方空港の空港アクセスバス路線に重点的にバリアフリー車両の導入が促進されるように必要な措置を検討すること。

 

六 生活利便施設である物販、飲食店の数は二千平米未満の小規模店舗が大半を占めることに鑑み、二千平米未満の小規模店舗及び特別特定建築物内における店舗内部の障壁となっている入口の段差解消、扉幅の確保、可動席の設置等のバリアフリー整備を進めるため、ガイドラインを作成すること。あわせて、条例によるバリアフリー基準適合義務の対象規模の引き下げ及び建築物特定施設の見直しを要請すること。

 

七 地方の旅客施設のバリアフリー化を進めるため、基本方針に一日の平均的な利用者数が三千人未満の駅も含めた整備目標を定めるよう検討すること。また、無人駅の増加に伴い社会的障壁が拡大しないよう、無人化に際し事業者が取り組むべき事項をガイドラインに定めた上で、当該事業者が遵守するように必要な措置を講ずること。

 

八 駅ホームからの視覚障害者の転落事故が全国で毎週一件以上発生していることに鑑み、ホームドアの設置、バリアフリー設備の表示や駅の構造等情報提供の充実を進めるよう、必要な措置を講ずること。

 

九 障害者が居住可能な共同住宅についての実態把握の調査等必要な措置を講ずること。

 

十 ホテルの一般客室におけるユニバーサルデザイン化の推進及びバリアフリールームの設置率を国際的な水準に引き上げるために、必要な措置を講ずること。

 

十一 ユニバーサルデザインタクシーが活用されるためには、運転者の負担軽減とともに、研修支援に必要な措置を講ずること。

 

十二 建築物やユニバーサルデザイン等の設計に際しては、当事者からの意見を反映させるため、建築士の資格取得における教育内容や設計業務に当たる者に対する研修等においてインクルーシブデザインによる設計が行われるよう制度の構築を検討すること。

 

十三 移動等円滑化評価会議及び同地域分科会において、地域の特性に応じた施設、先進的な施設の整備等を通じ、多様な障害当事者が参画を継続的に実施する等必要な措置を講ずること。

 

十四 障害者権利条約に則り、歴史的建造物のバリアフリー化を進めるため、歴史的建造物を再現する場合等におけるバリアフリー整備の在り方について、高齢者、障害者等の参画の下検討が行われるよう、必要な措置を講ずること。

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