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建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。

 

一 耐震診断、耐震改修は、安全・安心のために必要な措置であり、その促進は喫緊の課題であるが、建築物所有者の負担を伴うものであることから、地方公共団体においても交付金を活用するなど財源確保に優先的に取り組むよう周知徹底及び支援を行うとともに、特に中小事業者への財政的、技術的支援に努めるよう地方公共団体に促すこと。また、耐震改修が必要な建築物が多数存在する地方公共団体を把握し、これらの業務が円滑に行われるよう、十分な情報提供や支援を行うこと。さらに、避難所として指定された場合には耐震化に係る助成率が高くなることについて地方公共団体に周知徹底し、建築物所有者の負担の軽減を図るとともに、耐震診断が義務化される大規模建築物等以外の建築物についても避難所としての支援を行うこと。

 

二 耐震診断が義務付けられる建築物の所有者に対し本法の内容の周知に努め、また、地方公共団体における相談窓口を充実させ、耐震診断の基準や改修の工法等必要な相談に応じられる体制を整備するなど、本法の円滑な実施に万全を期すこと。

 

三 東日本大震災の被災地において、再度の地震により建築物に大きな被害が生じることがないよう、また、各地の復興に支障を来すことがないよう、既存建築物の耐震診断、耐震改修に対し最大限の支援を行うこと。

 

四 病院や旅館、ホテル等の民間建築物については、耐震診断の義務付けや診断結果の公表が経営への大きな負担にならないよう、必要な支援を積極的に行い、建築物の耐震性に係る表示制度及び耐震診断の結果の公表の時期や方法等についても、迅速に取り組んだ建築物所有者が不利になることのないよう適切な配慮を行うとともに、耐震性に係る表示制度については、建築物の選択に利用者が混乱を生じないよう十分な周知期間をとる等十分配慮すること。特に耐震診断の結果の公表については、公平性の確保の観点から、当該結果を用途ごとに一覧に取りまとめた上で公表するなど、地域における建築物の個別の状況や営業上の競争環境等にも十分に配慮し、丁寧な運用を行うこと。

 

五 認定を受けた建築物に対する容積率、建ぺい率の緩和は、耐震改修のために必要な場合に限られるよう適切に指導を行い、違反建築物への対応には万全を期すこと。

 

六 耐震改修の実施に当たっては、計画的に順次改修を行う方法など、改修がなされやすい方法が可能となるよう配慮し、また、低コスト化など耐震改修工法の技術開発の促進に努めること。

 

七 住宅の耐震改修の促進に際しては、工務店等の地域の建設業者の参画が図られるよう努めること。また、耐震化と併せて省エネ化やバリアフリー化が図られるよう、関係施策の充実のための対策の検討を早急に進めること。

 

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