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   家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 東日本大震災により我が国の農林水産業は過去に例のない甚大な被害を受けた。一日も早い復興のため全力を尽くすべきである。こうした中、口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ等の家畜伝染病の発生が国内外で相次いでおり、政府は、本法の施行に当たり、実効ある家畜防疫体制を早急に整備するため、左記事項の実現に万全を期すべきである。

             記

一 特定家畜伝染病(口蹄疫、BSE、豚コレラ、高病原性鳥インフルエンザ)が発生した場合には、農林水産省に対策本部を設置すること。また、都道府県にも対策本部が設置されるよう、必要な措置を講ずること。

二 都道府県が管理する種雄牛等について、緊急時に備えた分散飼育が行われるよう、必要な措置を講ずること。

三 家畜伝染病の発生国からの入国者と畜産業従事者が直接接触する可能性の高い施設における防疫措置の重要性に鑑み、宿泊施設、観光施設等において、消毒その他の必要な防疫措置が確実に実施されるよう、必要な措置を講ずること。

四 家畜防疫官の増員をはじめとする水際対策に係る体制の強化について、必要な措置を講ずること。

五 家畜の所有者が迅速に手当金の交付を受けることができるよう、必要な措置を講ずること。

六 都道府県により消毒薬等の防疫のために必要な物品の備蓄が適切に行われるよう、必要な財政的支援等を行うこと。

七 都道府県が必要な員数の家畜防疫員を確保することができるよう、必要な財政的支援を行うこと。

八 家畜の所有者等に対する手当金等について、口蹄疫対策特別措置法に基づいて実施された措置を踏まえ、必要な税制上の措置を講ずること。

九 特定家畜伝染病に関し、家畜市場の自主的な開催の停止等により家畜の所有者に生じた損失の補てんについて、口蹄疫対策特別措置法に基づいて実施された措置を踏まえ、必要な措置を講ずること。

十 特定家畜伝染病がまん延した場合における生産者等の経営及び生活再建等について、口蹄疫対策特別措置法に基づいて実施された措置と同様の十分な経済的支援がなされるよう、必要な措置を講ずること。

十一 国の防疫対応において重要な役割を果たす動物衛生研究所については、国の機関として位置付け、また、体制を強化していくことについて検討すること。

十二 国家防疫という観点から産業動物に関する獣医療体制を実効あるものとするため、獣医学系大学における産業動物に関する実習の強化、獣医師免許取得後の産業動物に関する研修の強化等の措置を講ずること。また、獣医師以外の獣医療に従事する者の資格(動物看護師など)の制度化について検討すること。

十三 野鳥、天然記念物等家畜以外の動物が特定家畜伝染病にかかっていることが発見された場合に家畜への感染を防止するため必要な措置を迅速に講ずることができるよう、文化財保護法、博物館法、動物の愛護及び管理に関する法律、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律等について、早期に検討を行い必要な見直しを行うこと。

 右決議する。

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