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   競馬法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 地方競馬は、競馬活性化計画に基づき、主催者が収支改善のための取組を実施してきた結果、令和二年度には二十九年ぶりに売得金が九千億円を超えるなど、その売上は堅調な状況にある。引き続き堅調な売上を維持するためには、地方競馬の魅力の更なる向上、施設の老朽化への対応、馬産地の生産基盤の強化等が必要である。

 一方、競馬関係者による不適切事案の発生は、競馬に対する国民の信頼が揺らぎかねない状況を生じさせた。

 こうした状況を踏まえ、地方競馬がこれまで畜産振興や地域経済等に重要な役割を果たしてきたことに鑑み、更に地方競馬の振興を図るとともに、競馬に対する国民の信頼を確保していく必要がある。

 よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。

                記

一 地方競馬への支援措置の拡充に当たっては、長期にわたり計画的に競馬活性化事業を実施することにより地方競馬の経営基盤の強化が図られ、地方競馬が畜産振興及び地方財政の改善に一層貢献できるよう指導すること。また、畜産振興勘定から競馬活性化勘定への繰入れに当たっては、法律の趣旨である畜産振興への寄与が阻害されないよう十分配慮すること。

二 馬産地への支援の恒久化に当たっては、長期にわたり計画的に競走馬生産振興事業を実施することにより馬産地の生産基盤の強化が図られ、競走馬の安定供給と強い馬づくりが推進されるよう指導すること。

三 競馬の売上げの一部が畜産振興、社会福祉事業等への貢献及び地方財政の改善に活用されていることについて、国民一般の理解が一層深まるよう努めること。また、ギャンブル等依存症対策を総合的かつ計画的に推進すること。

四 日本中央競馬会のレース映像提供施設に関しては、地方公共団体や広く地域の理解を得て設置するよう指導すること。

五 売得金に占めるインターネット投票等の割合が年々増加する中にあって、競馬場の入場者数の増加は、競馬関連事業の継続発展や雇用を創出するなど地域経済へ寄与することが見込まれるため、家族連れで入場しやすい親しみのある競馬場づくり、ファンサービスの向上、競馬場周辺の観光との連携等来場促進の取組がなされるよう指導すること。

六 競馬における職場環境の整備が競馬の魅力の更なる向上に果たす役割に鑑み、警備員や厩舎で雇用される厩務員なども含めた全ての競馬事業に従事する者の処遇や職場環境が改善するよう努めること。

七 本法に基づく地方競馬全国協会の資金確保措置による地方競馬の経営基盤の強化の状況を常に分析・検証し、その結果を公開するとともに、これに基づき、地方競馬の振興の在り方について必要な措置の検討を進めること。

八 競馬関係団体間の密接な協力連携体制を構築し、競馬関係者に対する研修指導を強化すること等を通じて不適切事案の未然防止を図り、競馬に対する国民の信頼を確保すること。

九 引退した競走馬の多様な利活用による社会貢献等の観点からも命ある馬が可能な限り充実したセカンドキャリアを送ることができるようにすることの重要性に鑑み、こうした取組に対する競馬関係者による支援の拡充を促し、取組内容の充実が図られるよう指導すること。

 右決議する。

 

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