電気通信事業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。
一 携帯電話料金について、わかりやすい料金プランの提示がなされているかも含め、事業者による料金設定の動向を注視し、必要に応じ関係事業者に対して適切な指導を行うこと。
二 利用者の自由な選択に基づく良質なモバイルサービスの提供を促進するため、モバイル市場における公正かつ自由な競争環境の確保に努めるとともに、事業者の経営判断及び健全な事業活動を阻害することのないよう十分に配慮すること。
三 通信料金と端末代金の分離にかかる事業者の指定の除外は、事業者間の公平性及び利用者の適切なサービス選択の確保に配慮し、慎重に行うこと。
四 行き過ぎた顧客の囲い込みについて、その内容を総務省令で定めるに当たっては、利用者の自由なサービス選択が阻害されることのないよう配慮するとともに、公正な競争の促進を目的とする電気通信事業法の趣旨に鑑み、具体的に規定すること。
五 事業者・販売代理店の勧誘に係る禁止規定については、事業者及び利用者に混乱を生じさせないよう、その内容に関するわかりやすい情報を事業者・販売代理店及び利用者に提供するなど、所要の措置を講ずること。また、電気通信サービス等に対する苦情等については、利用者保護の観点に立って、消費者庁等関係各省庁とも連携し、必要に応じ関係事業者に対して十分な指導を行うこと。
六 携帯電話が国民生活にとって大きな役割を果たしていることを踏まえ、法律の施行によるサービスの提供条件等の急な変更により利用者の混乱が起きないよう、また、変更後も携帯電話の安心・安全な利用が確保されるよう十分な準備期間の設定等の利用者の保護への配慮をすること。
七 改正法施行までの期間、行き過ぎたキャッシュバックや顧客囲い込み等の改正法の趣旨に反した競争により利用者間の不公平を生じさせ、適切なサービス選択が阻害されることのないよう、事業者に対して、必要な措置を講ずること。
八 5G時代に向けて、新たなサービスが進展し、創意工夫やイノベーションが阻害されることがないように、法の運用に努めるとともに時代に合わせて見直しを図ること。