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(外務委員会) 

   二千一年の燃料油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約の締結について承認を求めるの件(条約第四号)概要

 本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。

 この条約は、船舶からの燃料油の流出又は排出による汚染損害についての船舶所有者の責任及び強制保険、締約国の裁判所が下す判決の承認等について定めるものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 この条約は、締約国の領域及び排他的経済水域において生ずる汚染損害並びに当該汚染損害を防止し、又は最小限にするための防止措置についてのみ適用すること。

二 事故発生時における船舶所有者(船舶の所有者、管理人及び運航者並びに裸傭船者)は、船舶内の燃料油又は船舶から流出し、若しくは排出される燃料油によって生ずる汚染損害について、戦争等によってもたらされたこと等を証明しない限り、責任を負うこと。

三 この条約のいかなる規定も、船舶所有者及び保険者等が海事債権責任制限条約等の適用可能な国内の又は国際的な制度に基づいて責任を制限する権利に影響を及ぼすものではないこと。

四 締約国に登録されている総トン数が千トンを超える船舶の登録所有者は、責任の制限に関する適用可能な国内の又は国際的な制度に基づく責任の限度額に等しい額において汚染損害についての自己の責任を担保するため、保険等保証を維持しなければならないこと。

五 締約国の適当な当局等は、保険等保証が効力を有していることを証明する証明書を発給すること。

六 汚染損害の賠償の請求は、保険者等に対して直接に提起することができること。

七 締約国は、自国を旗国とする総トン数が千トンを超える船舶については、保険等保証が効力を有していることを証明する証明書が発給されていない限り、いかなる時にも運航を認めてはならないこと。

八 各締約国は、自国の港等に出入りする総トン数が千トンを超える船舶につき、自国の国内法令により、保険等保証が効力を有していることを確保すること。

九 事故が締約国の領域若しくは排他的経済水域において汚染損害を生じさせた場合又は当該汚染損害の防止措置がとられた場合には、船舶所有者又は保険者等に対する賠償の請求の訴えは、当該締約国の裁判所にのみ提起することができること。

十 管轄権を有する裁判所が下した判決であって、当該判決のあった国において執行することが可能であり、かつ、再び通常の方式で審理されることがないものは、当該判決が詐欺によって得られた場合等を除くほか、いずれの締約国においても承認されること。

 なお、条約の不可分の一部を成す附属書は、燃料油による汚染損害についての民事責任に関する保険等保証の証明書の様式等を定めている。

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