衆議院

メインへスキップ



 

   所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とセルビア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第五号)の概要

 本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。

 この条約は、人的交流及び経済的交流に伴って発生する国際的な二重課税の除去並びに脱税及び租税回避行為の防止を目的として、我が国とセルビアとの間で課税権を調整するとともに、両国における配当、利子及び使用料に対する源泉地国課税の限度税率等を定めるものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 この条約が適用される租税は、日本国については所得税、法人税、復興特別所得税、地方法人税及び住民税、セルビアについては法人所得税及び個人所得税とすること。

二 一方の締約国の企業の事業利得に対しては、当該企業が他方の締約国内に恒久的施設を有する場合には、当該恒久的施設に帰せられる利得にのみ当該他方の締約国において課税できること。

三 一方の締約国の居住者である法人が他方の締約国の居住者に支払う配当に対しては、当該他方の締約国において課税できるが、当該一方の締約国でも、当該配当を支払う法人が日本国の居住者であり、当該配当の受益者が当該配当を支払う法人の議決権の二十五パーセント以上を直接に所有する法人である場合又は当該配当を支払う法人がセルビアの居住者であり、当該配当の受益者が当該配当を支払う法人の資本の二十五パーセント以上を直接に所有する法人である場合には配当額の五パーセントを超えない額、その他の場合には配当額の十パーセントを超えない額を課税できること。

四 一方の締約国内で生じ、他方の締約国の居住者に支払われる利子に対しては、当該他方の締約国において課税できるが、当該一方の締約国でも、利子額の十パーセントを超えない額を課税できること。ただし、当該利子の受益者が他方の締約国の政府等である場合には当該他方の締約国においてのみ課税できること。

五 一方の締約国内で生じ、他方の締約国の居住者に支払われる著作権、特許権等の使用料に対しては、当該他方の締約国において課税できるが、当該一方の締約国でも、当該使用料が著作権の使用等に対するものである場合には使用料額の五パーセントを超えない額、その他の場合には使用料額の十パーセントを超えない額を課税できること。

六 この条約の規定に適合しない課税について、権限のある当局に対して申立てをすることができること及び権限のある当局が相手国の権限のある当局と協議を行って解決を図ることができること。

七 両締約国の権限のある当局間で租税に関する情報を交換すること。

八 第三国に存在する恒久的施設に帰属する所得について第三国で課される租税の額が一定の額に満たない場合及び取引等の主要な目的がこの条約の特典を受けることである場合には当該特典は与えられないこと。

 なお、条約の不可分の一部を成す議定書は、セルビアが我が国以外の国又は地域との間で租税の軽減又は免除について定める規定についてこの条約よりも低い税率等を含む協定を締結する場合には、我が国からの要請に基づいて交渉を開始すること等を規定している。

衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.