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   所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とポルトガル共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第四号)概要

 本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。

この条約は、人的交流及び経済的交流等に伴って発生する国際的な二重課税の回避を目的として、ポルトガルとの間で課税権を調整するとともに、両国における配当、利子及び使用料に対する源泉地国課税の限度税率等を定めるものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 この条約が適用される租税は、日本国については所得税、法人税、復興特別所得税、復興特別法人税及び住民税、ポルトガルについては個人所得税、法人所得税及び法人所得に対する付加税とすること。

二 一方の締約国の企業の事業利得については、当該企業が他方の締約国内に恒久的施設を有する場合には、当該恒久的施設に帰せられる所得についてのみ当該他方の締約国において課税できること。

三 一方の締約国の居住者である法人が他方の締約国の居住者に支払う配当に対しては、当該他方の締約国において課税できるが、当該配当を支払う法人が居住者とされる一方の締約国においても、当該配当の受益者が当該配当を支払う法人の議決権のある株式又は当該法人の資本の十パーセント以上を直接に所有する法人である場合には当該配当額の五パーセントを、その他の全ての場合には当該配当額の十パーセントを、それぞれ超えない額を課税できること。

四 一方の締約国内において生じ、他方の締約国の居住者に支払われる利子に対しては、当該他方の締約国において課税できるが、当該一方の締約国においても、当該利子額の十パーセントを超えない額を課税できること。ただし、当該利子の受益者が他方の締約国の居住者である銀行である場合には、当該一方の締約国においても当該利子額の五パーセントを超えない額を課税でき、また、当該利子の受益者が他方の締約国の政府等である場合には、当該他方の締約国においてのみ課税できること。

五 一方の締約国内において生じ、他方の締約国の居住者に支払われる著作権、特許権、商標権等の使用料に対しては、当該他方の締約国において課税できるが、当該使用料が生じた一方の締約国においても、当該使用料の額の五パーセントを超えない額を課税できること。

六 両締約国の権限のある当局は、この条約に定めのない場合における二重課税を除去するため、相互に協議することができること。

七 両締約国の権限のある当局は、この条約の実施又は両締約国若しくはそれらの地方政府等が課する全ての種類の租税に関する両締約国の法令の運用若しくは執行に関連する情報を交換すること。

なお、条約の不可分の一部を成す議定書は、両締約国で課税上の取扱いが異なる事業体を通じて取得する所得に対するこの条約の適用関係等を規定している。

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