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   所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とスペイン王国との間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第七号)概要

 本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。

 この条約は、我が国とスペインとの間の現行の租税条約を全面的に改正し、両国間の緊密化する経済関係を反映して、投資交流の更なる促進を図るため、投資所得に対する源泉地国課税を更に減免するとともに、脱税及び租税回避行為により効果的に対処するため、条約の濫用を防止するための規定等を設けるものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 この条約が適用される租税は、日本国については所得税、法人税、復興特別所得税及び地方法人税とし、スペインについては個人に対する所得税、法人税及び非居住者に対する所得税とすること。

二 一方の締約国の企業の事業利得に対しては、当該企業が他方の締約国内に恒久的施設を有する場合には、当該恒久的施設に帰せられる利得にのみ当該他方の締約国において課税できること及び恒久的施設に帰せられる事業利得に対する課税においては本支店間の内部取引をより厳格に認識して課税対象とすること。

三 一方の締約国の居住者である法人が他方の締約国の居住者に支払う配当に対しては、当該他方の締約国において課税できるが、当該一方の締約国においても、配当額の五パーセントを超えない額を課税できること。ただし、当該配当の受益者が、当該配当を支払う法人の議決権の十パーセント以上を所有する法人である場合等には、当該他方の締約国においてのみ課税できること。

四 一方の締約国内で生じ、他方の締約国の居住者が受益者である利子に対しては、当該他方の締約国においてのみ課税できること。

五 一方の締約国内で生じ、他方の締約国の居住者が受益者である著作権、特許権等の使用料に対しては、当該他方の締約国においてのみ課税できること。

六 この条約の規定に適合しない課税について、権限のある当局に対して申立てをすることができること及び権限のある当局が相手国の権限のある当局と協議を行って解決を図ることができることに加え、一定の要件の下において仲裁に付託することができること。

七 両締約国の権限のある当局間で租税に関する情報の交換を行うこと及び租税債権の徴収について相互に支援を行うこと。

八 この条約の特典の濫用防止のため、特典を享受できる者を一定の要件を満たす適格者等に限定すること。

 なお、条約の不可分の一部を成す議定書は、この条約の規定は、各締約国がその法令で規定する外国子会社合算税制に関する規定の適用を制限しないこと等を規定している。

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