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                                    (外務委員会)

   所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とサウジアラビア王国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第八号)概要

 本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。

この条約は、OECDモデル租税条約の内容を基本としつつ、これまでに我が国が諸外国との間で締結してきた租税条約と同様に、国際的二重課税の回避を目的として、サウジアラビア王国との間で課税権を調整するとともに、国際標準に沿った情報の交換の実施を可能にするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 この条約が適用される租税は、日本国については所得税、法人税及び住民税、サウジアラビア王国についてはザカート及び所得税(天然ガス投資税を含む。)とすること。

二 一方の締約国の企業の事業利得については、当該企業が他方の締約国内に恒久的施設を有する場合における当該恒久的施設に帰せられる所得についてのみ当該他方の締約国において課税することができること。

三 一方の締約国の居住者である法人が他方の締約国の居住者に支払う配当に対しては、当該他方の締約国において課税することができるが、同配当に対しては、当該配当を支払う法人が居住者とされる一方の締約国においても、当該配当の受益者が当該配当を支払う法人の議決権のある株式又は発行済株式の十パーセント以上を直接又は間接に所有する法人である場合には当該配当額の五パーセントを、その他の全ての場合には当該配当額の十パーセントを、それぞれ超えない額の課税をすることができること。

四 一方の締約国内において生じ、他方の締約国の居住者に支払われる債権から生じた所得に対しては、当該他方の締約国において課税することができるが、同債権から生じた所得に対しては、当該債権から生じた所得が生じた一方の締約国においても、十パーセントを超えない額の課税をすることができること(ただし、政府、中央銀行等が受け取る債権から生じた所得は免税)。

五 一方の締約国内において生じ、他方の締約国の居住者が受益者である著作権、特許権、商標権等の使用料に対しては、当該他方の締約国において課税することができるが、同使用料に対しては、当該使用料が生じた一方の締約国においても、使用料が産業上、商業上又は学術上の設備の使用又は使用の権利に対して支払われるものである場合には当該使用料の額の五パーセントを、その他の全ての場合には当該使用料の額の十パーセントを、それぞれ超えない額の課税をすることができること。

六 両締約国の権限のある当局は、この条約に定めのない場合における二重課税を除去するため、相互に協議することができること。

七 両締約国の権限のある当局は、この条約の規定の実施又は両締約国が課する全ての種類の租税に関する両締約国の法令の規定の運用若しくは執行に関連する情報を交換すること。

なお、条約の不可分の一部を成す議定書は、情報の提供を拒否できる場合の内容等を規定している。

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