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   刑を言い渡された者の移送に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第一四号)概要

 本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。

 この条約は、ベトナムにおいて刑に服している邦人受刑者及び我が国において刑に服しているベトナム人受刑者を本国に移送するための条件・手続等について定めたものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 この条約の適用上、「刑」とは、裁判所が犯罪を理由として命ずる有期又は無期のあらゆる刑罰であって自由の剥奪を伴うものをいい、また、「移送国」とは、刑を言い渡された者を移送し得る締約国又は移送した締約国を、「受入国」とは、刑を言い渡された者がその刑に服するために移送され得る締約国又は移送された締約国をそれぞれいうこと。

二 刑を言い渡された者は、その刑に服するため、この条約に従って移送国の領域から受入国の領域に移送されることができ、このため、この移送についての自己の関心を表明することができること。

三 移送国又は受入国のいずれの締約国も、移送について要請することができること。

四 刑を言い渡された者については、判決が確定していること、移送の要請があった時に、刑を言い渡された者が刑に服する期間として少なくとも一年の期間が残っていること又は刑の期間が定められていないこと、刑を言い渡された者並びに移送国及び受入国が移送に同意していること、刑が科せられる理由となった作為又は不作為が受入国の法令により犯罪を構成すること等の条件が満たされている場合に限り、この条約に基づいて移送することができること。

五 移送の要請を受けた締約国は、移送に同意するかしないかについての決定を速やかに通報すること。

六 移送国は、刑を言い渡された者であってこの条約の適用を受けることのできる全てのものに対し、この条約の内容を通知することとし、刑を言い渡された者がこの条約に従って移送されることについて移送国に対して関心を表明した場合には、判決が確定した後速やかに、受入国に対してその旨を通報すること。

七 移送後の刑の執行の継続は、受入国の法令により規律されること。

八 受入国は、移送国が決定した刑の法的な性質及び期間を受け入れなければならないが、刑の性質又は期間が自国の法令に適合しない等の場合には、自国の法令に規定する制裁に合わせることができること。

九 各締約国は、自国の憲法及び法令に従い、特赦、大赦又は減刑を認めることができること。

十 受入国は、移送国に対して刑の執行に関する情報を提供すること。

十一 この条約の適用に当たり要する費用は、専ら移送国の領域において要する費用を除き、受入国が負担すること。

十二 この条約は、その効力が生ずる日の前又は以後に言い渡された刑の執行について適用すること。

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