(外務委員会)
日本国とインド共和国との間の包括的経済連携協定の締結について承認を求めるの件(条約第一八号)概要
本件は、標記の協定の締結について、国会の承認を求めるものである。
この協定は、我が国とインド共和国との間で物品及びサービスの貿易の自由化及び円滑化を進め、投資の機会を増大させ、両国間の経済活動の連携を強化するとともに、自然人の移動、競争、知的財産等の幅広い分野での枠組みを構築するものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 一方の締約国は、千九百九十四年のガット第三条の規定の例により、他方の締約国の産品に対して内国民待遇を与えること。
二 一方の締約国は、他方の締約国の原産品について、附属書一の自国の表に定める条件に従って、関税を撤廃し、又は引き下げること。
三 一方の締約国は、市場アクセスに関し、他方の締約国のサービス及びサービス提供者に対し、附属書六の自国の特定の約束に係る表において合意し、及び特定した条件及び制限に基づく待遇よりも不利でない待遇を与えること。
四 一方の締約国は、附属書六の自国の特定の約束に係る表に記載する分野において、かつ、当該表に定める条件及び制限に従い、サービスの提供に影響を及ぼす全ての措置に関し、他方の締約国のサービス及びサービス提供者に対し、内国民待遇を与えること。
五 一方の締約国は、第七章の規定に従って、他方の締約国の自然人(商用訪問者、企業内転勤者、投資家等)に対し、入国及び一時的な滞在を許可すること。
六 一方の締約国は、他方の締約国の投資家及びその投資財産に対し、自国の区域内で行われる投資活動に関して内国民待遇を与えるとともに、自国の区域内で行われる投資財産の経営等に関して最恵国待遇を与えること。
七 いずれの一方の締約国も、他方の締約国の投資家の自国の区域内における投資活動に関連して、現地調達要求、技術移転要求等の特定措置の履行要求を課し、又は強制してはならないこと。
八 両締約国は、貿易関連知的所有権協定に従い、知的財産の十分にして、効果的かつ無差別的な保護を確保すること。
九 各締約国は、自国の法令に従い、両締約国間の貿易及び投資の流れ並びに自国の市場の効率的な機能を円滑にするため、反競争的行為に対して適当と認める措置をとること。
なお、協定の不可分の一部を成す附属書は、両締約国が実施する関税の撤廃及び引下げ等の対象品目、条件等について規定している。