社会保障に関する日本国とオランダ王国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第8号)概要
本件は、標記の協定の締結について、国会の承認を求めるものである。
この協定は、日本・オランダ両国間における年金制度及び医療保険制度への二重加入等の問題の解決を図ることを目的とするものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 この協定は、我が国については、年金制度に関し、国民年金、厚生年金保険、国家公務員共済年金、地方公務員等共済年金及び私立学校教職員共済年金について、医療保険制度に関し、健康保険法、船員保険法、国民健康保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法及び高齢者の医療の確保に関する法律により実施される医療保険制度についてそれぞれ適用すること。
二 この協定は、オランダについては、障害給付、老齢給付、遺族給付、児童給付、疾病及び出産に係る現金給付、疾病に係る現物給付及び失業給付の部門について適用すること。
三 一方の締約国の領域外に通常居住することのみを理由として給付を受ける権利の取得又は給付の支払を制限する当該一方の締約国の法令の規定は、原則として、他方の締約国に通常居住する者については適用しないこと。
四 強制加入に関する法令の二重適用を回避するため、原則として、就労が行われる締約国の法令のみを適用すること。
五 被用者又は自営業者が、派遣又は自営活動の期間が5年を超えない見込みで一時的に相手国において就労する場合には、自国の法令のみを適用すること。
六 派遣又は自営活動の期間が5年を超えて継続される場合には、両締約国の権限のある当局又は実施機関は、被用者又は自営業者に対して引き続き自国の法令のみを適用することについて合意することができること。
七 一方の締約国の年金の給付を受ける権利を取得するために必要とされる期間の計算に際して、他方の締約国の年金制度への加入期間を当該一方の締約国の年金制度への加入期間と通算することにより、当該一方の締約国の年金制度への加入期間だけでは必要な期間の要件を満たさないような場合においても給付を受ける権利を取得することができるようにすること。
八 給付額の計算に際しては、それぞれの国内法の規定に従って、自国の年金制度への加入期間に応じた額を支給すること。