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                                    (外務委員会)

   所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府と中華人民共和国香港特別行政区政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第七号)概要

 本件は、標記の協定の締結について、国会の承認を求めるものである。

この協定は、OECDモデル租税条約の内容を基本としつつ、これまでに我が国が諸外国との間で締結してきた租税条約と同様に、国際的二重課税の回避を目的として、香港との間で課税権を調整するとともに、国際標準に沿った情報の交換の実施を可能にするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 この協定が適用される租税は、日本国については所得税、法人税及び住民税、香港特別行政区については利得税、給与税及び不動産税とすること。

二 一方の締約者の企業の事業利得については、当該企業が他方の締約者内に恒久的施設を有する場合における当該恒久的施設に帰せられる所得についてのみ当該他方の締約者において課税することができること。

三 一方の締約者の居住者である法人が他方の締約者の居住者に支払う配当に対しては、当該他方の締約者において課税することができるが、同配当に対しては、当該配当を支払う法人が居住者とされる一方の締約者においても、当該配当の受益者が当該配当を支払う法人の議決権のある株式の十パーセント以上を直接又は間接に所有する法人である場合には当該配当額の五パーセントを、その他の全ての場合には当該配当額の十パーセントを、それぞれ超えない額の課税をすることができること。

四 一方の締約者内において生じ、他方の締約者の居住者に支払われる利子に対しては、当該他方の締約者において課税することができるが、同利子に対しては、当該利子が生じた一方の締約者においても、十パーセントを超えない額の課税をすることができること(ただし、政府、中央銀行等が受け取る利子は免税)。

五 一方の締約者内において生じ、他方の締約者の居住者が受益者である著作権、特許権、商標権等の使用料に対しては、当該他方の締約者において課税することができるが、同使用料に対しては、当該使用料が生じた一方の締約者においても、五パーセントを超えない額の課税をすることができること。

六 この協定の規定に適合しない課税を受けた者が一方の締約者に対して申立てをした事案について、この申立てを受けた当該一方の締約者の権限のある当局から他方の締約者の権限のある当局に対し協議の申立てをした日から二年以内に、両締約者の権限のある当局が当該事案を解決するために合意に達することができない場合において、当該者が要請するときは、当該事案の未解決事項は、仲裁に付託されること。

七 両締約者の権限のある当局は、この協定の規定の実施又は両締約者が課する全ての種類の租税に関する両締約者の法令の規定の運用若しくは執行に関連する情報を交換すること。

なお、協定の不可分の一部を成す議定書は、相互協議手続に係る仲裁手続及びその補則事項、情報の提供を拒否できる場合の内容等を規定している。

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