(外務委員会)
脱税の防止のための情報の交換及び個人の所得についての課税権の配分に関する日本国政府とバミューダ政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第四号)概要
本件は、標記の協定の締結について、国会の承認を求めるものである。
この協定は、我が国とバミューダとの間で、国際的な脱税及び租税回避行為を防止するため、租税に関する情報の交換を行うための詳細な枠組みを定めるとともに、双方の人的交流を促進する観点から、退職年金等の特定の個人の所得についての課税の免除を規定するもので、その主な内容は次のとおりである。
一 情報交換に関する規定が適用される租税は、一方の締約者若しくはその地方公共団体等のために課される所得に対する租税とし、日本国については所得税、法人税及び住民税並びに日本国において課される相続税及び贈与税とすること。
二 情報の提供を要請された締約者(以下「被要請者」という。)の権限のある当局は、要請された情報を公開することが被要請者の公の秩序に反することとなる場合等、要請を拒否することができる場合を除き、要請に応じて情報を提供すること。
三 被要請者は、自己の課税目的のために必要でないときであっても、要請された情報を要請者に提供するためにすべての関連する情報収集のための措置をとること。
四 各締約者は、自己の権限のある当局に対し、銀行等が有する情報及び法人等の所有に関する情報を要請に応じて入手し、及び提供する権限を付与することを確保すること。
五 この協定に基づき一方の締約者が受領した情報は、秘密として取り扱うものとし、税務当局等に対してのみ、開示することができること。
六 課税権の配分に関する規定は、一方又は双方の締約者の居住者である個人に適用し、「一方の締約者の居住者」とは、日本国については、日本国の法令の下において、住所、居所その他これらに類する基準により日本国において課税を受けるべきものとされる個人とし、バミューダについては、バミューダの法令の下において、バミューダ内に通常居住する個人とすること。
七 課税権の配分に関する規定が適用される租税は、日本国については所得税及び住民税とすること。
八 一方の締約者の居住者が受益者である退職年金等については、当該一方の締約者においてのみ課税することができること。
なお、協定の不可分の一部を成す議定書は、この協定の一部の規定についてその意味を明確にしている。