少年法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三五号)の概要
本案は、成年年齢の引下げ等の社会情勢の変化を踏まえ、十八歳及び十九歳の者について、少年法の適用において特例規定を整備する等の措置を講ずるもので、その主な内容は次のとおりである。
一 保護事件の特例
1 十八歳及び十九歳の少年の保護事件について、家庭裁判所が原則として検察官に送致しなければならない事件に、死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であって、犯行時十八歳以上の少年に係るものを加えること。
2 十八歳及び十九歳の少年の保護事件について、ぐ犯をその対象から除外するとともに、家庭裁判所による保護処分は、犯情の軽重を考慮して相当な限度を超えない範囲内においてしなければならないこととすること。
二 刑事事件の特例
十八歳及び十九歳の少年について、検察官送致の決定がされた後の刑事事件の特例に関する規定(不定期刑等)は、原則として適用しないこととすること。
三 記事等の掲載の禁止の特例
十八歳及び十九歳の少年のとき犯した罪により公訴を提起された場合には、略式手続による場合を除き、記事等の掲載の禁止に関する少年法の規定を適用しないこととすること。
四 施行期日等
1 この法律は、令和四年四月一日から施行すること。
2 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定及び民法の一部を改正する法律による改正後の規定の施行の状況並びにこれらの規定の施行後の社会情勢及び国民の意識の変化等を踏まえ、罪を犯した十八歳以上二十歳未満の者に係る事件の手続及び処分並びにその者に対する処遇に関する制度の在り方等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずることとすること。