衆議院

メインへスキップ



平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法案(環境委員長提出、衆法第二九号)概要

 本案は、東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所事故により放出された放射性物質(事故由来放射性物質)による環境汚染が生じていることに鑑み、同放射性物質による環境汚染が人の健康又は生活環境に及ぼす影響を速やかに低減するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 国は、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っていることに鑑み、事故由来放射性物質による環境汚染への対処に関し、必要な措置を講ずるものとすること。

二 環境大臣は、事故由来放射性物質による環境汚染への対処に関する施策を適正に策定・実施するため、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないものとすること。

三 環境大臣は、特別な管理が必要な程度に事故由来放射性物質により汚染されているおそれがある廃棄物が存する地域を汚染廃棄物対策地域として指定できるものとし、その指定をしたときは対策地域内廃棄物処理計画を定め、国は、同計画に従って、対策地域内廃棄物の収集、運搬、保管及び処分(以下「処理」という。)をしなければならないものとすること。

四 一定の水道事業者、下水道管理者等は、汚泥、焼却灰等の事故由来放射性物質による汚染状況を調査し、その結果を環境大臣に報告しなければならないものとし、同大臣は、汚染状態が環境省令で定める基準に適合しないと認めるときは、特別な管理が必要な程度に事故由来放射性物質により汚染された廃棄物として指定するものとすること。また、国は、指定した廃棄物の処理をしなければならないものとすること。

五 環境大臣は、国が除染等を実施する必要がある地域を除染特別地域として指定でき、その指定をしたときは特別地域内除染実施計画を定め、国は、同計画に従って、除染等をしなければならないものとするとともに、同大臣は、汚染状態が環境省令で定める要件に適合しないと認められる等の地域を汚染状況重点調査地域として指定するものとすること。また、都道府県知事等は、同重点調査地域内であって汚染状態が環境省令で定める要件に適合しないと認める区域に係る除染実施計画を定め、同計画で定められた除染実施者は除染等をしなければならないものとすること。なお、国は、都道府県知事等から要請があり、必要があると認められるときは、当該都道府県等に代わって、自ら除染等を行うものとすること。

六 国は、地方公共団体が事故由来放射性物質による環境汚染への対処に関する施策を推進するために必要な費用についての財政上の措置等を講ずるものすること。また、この法律に基づき講ぜられる措置は、事故由来放射性物質を放出した原子力事業者の負担の下に実施されるものとすること。

七 この法律は、一部の規定を除き、公布の日から施行すること。

 

衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.