水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法案(環境委員長提出)の概要
本案は、水俣病被害者に関する救済措置の方針及び水俣病問題の解決に向けて行うべき取組を明らかにするとともに、これらに必要な補償の確保等のための事業者の経営形態の見直しに係る措置等を定めようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 政府は、過去に通常起こり得る程度を超えるメチル水銀のばく露を受けた可能性があり、かつ、四肢末梢優位の感覚障害を有する者及び全身性の感覚障害を有する者その他の四肢末梢優位の感覚障害を有する者に準ずる者を早期に救済するため、一時金、療養費及び療養手当の支給に関する方針を定め、公表するものとすること。なお、一時金については関係事業者が支給する等とすること。
二 公的支援を受けている関係事業者の経営形態の見直しについて、環境大臣の指定を受けた特定事業者は事業再編計画を作成し同大臣に認可申請を行い、同大臣は、当該事業者が一時金の支給に同意し、かつ、一定の要件に適合すると認めるときは認可をするものとすること。また、この計画に基づき新たに設立する事業会社への事業譲渡等に関する特例を定めるとともに、事業会社の株式を譲渡しようとするときはあらかじめ環境大臣の承認を得なければならないものとすること。なお、この株式の譲渡は、救済の終了及び市況の好転まで、暫時凍結するものとすること。
三 政府は、指定地域及びその周辺の地域に居住していた者の健康に係る調査研究等を積極的かつ速やかに行い、その結果を公表するものとすること。
四 この法律は、一部の規定を除き、公布の日から施行すること。