航空法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)概要
本案は、最近の航空分野における事故の発生状況、災害時における航空輸送の確保の要請等に鑑み、航空機の航行の安全を確保するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 航空法の一部改正
1 空港等及び航空保安施設の機能の確保に関する基準に定める事項に、地上走行中の航空機又は車両の滑走路への誤進入を防止するための施設の維持管理及び改修に関する事項を追加すること。
2 操縦技能証明を有する者は、航空機の航行中に管理技能を確実に活用し、及び発揮することができるようにするための訓練であって登録訓練機関等が行う訓練等である技能発揮訓練を修了していなければ、当該操縦技能証明について限定をされた範囲の航空機について、航空交通管制圏に係る空港等における航空機の離着陸等の操縦等を行ってはならないこと。
3 2の航空機の航行中に管理技能を確実に活用し、及び発揮することができるようにするための訓練を行う者は、申請により、国土交通大臣の登録を受けることができることとし、国土交通大臣は、登録の申請をした者が一定の要件に適合しているときは、その登録をしなければならないこと。また、登録訓練機関は、その訓練を修了した者に対し、修了証明書を交付しなければならないこと。
二 空港法の一部改正
1 国土交通大臣は、地方管理空港の空港管理者から要請があり、かつ、地方管理空港の滑走路等の改良又は空港用地の造成若しくは整備の工事であって、滑走路等又は空港用地が一定の基準に適合しなくなるおそれがある場合に行うもので、高度の技術を要する又は高度の機械力を使用して実施することが適当であると認められる工事を当該空港管理者に代わって自ら施行することが適当であると認められる場合においては、その事務の遂行に支障のない範囲内で、これを施行することができること。
2 国土交通大臣は、災害が発生した場合において、会社管理空港又は地方管理空港の空港管理者から要請があり、かつ、一定の要件を満たす当該空港の災害復旧工事を当該空港管理者に代わって自ら施行することが適当であると認められる場合においては、その事務の遂行に支障のない範囲内で、これを施行することができること。
3 1及び2の工事の費用の負担について定めること。
三 施行期日
この法律は、一部を除き、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。