海事産業の基盤強化のための海上運送法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二四号)の概要
本案は、海事産業の基盤強化を図るため、船舶運航事業者等が作成する特定船舶導入計画及び造船等事業者が作成する事業基盤強化計画の認定制度の創設、内航海運業の登録制度の対象となる事業の追加、船員の労働時間を適切に管理するための労務管理責任者制度の創設等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 海上運送法の一部改正
船舶運航事業者等が作成する、航行の安全・低環境負荷で船員の省力化に資する高品質な船舶の導入に係る計画の国土交通大臣の認定制度及び同計画に従った船舶の導入に対する支援制度の創設等を行うこと。また、外国法人等のクルーズ事業者等に対する報告徴収規定を創設すること。
二 造船法の一部改正
造船等事業者が作成する、生産性向上や事業再編等の事業基盤強化に係る計画の国土交通大臣の認定制度及び同計画に従った事業基盤強化に対する支援制度の創設等を行うこと。
三 船員法の一部改正
船舶所有者に対し労務管理責任者の選任を義務付けるとともに、労務管理責任者の意見を勘案した、船員の労働時間の短縮等の適切な措置を講ずることの義務付け等を行うこと。
四 船員職業安定法の一部改正
船員職業紹介、無料の船員職業紹介事業及び船員派遣事業に関する規定の整備を行うとともに、国土交通大臣の指導監督に関する規定の整備等を行うこと。
五 内航海運業法の一部改正
内航海運業に船舶の管理をする事業を追加するとともに、内航海運業者に対し船員の過労防止措置の実施、及び荷主に対し内航海運業者への配慮を義務付け、国土交通大臣による荷主に対する勧告及び公表制度の創設等を行うこと。
六 船舶安全法の一部改正
遠隔支援業務に係る事業場の認定制度を創設するとともに、当該事業場による整備等がなされる船舶に対して定期検査を省略する等の措置を講ずること。
七 この法律は、一部を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。