気象業務法及び水防法の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)概要
本案は、水災による被害の軽減を図るため、洪水の特別警報の創設等の措置を講ずるとともに、情報通信技術の進展を踏まえ、予報業務の利用者の保護を図るため、外国法人等が行う予報業務の許可に関する規定の整備等を行うもので、その主な内容は次のとおりである。
一 気象業務法の一部改正
1 気象庁は、重大な災害の起こるおそれが著しく大きい場合として降雨量等に関し気象庁が定める基準に該当する場合には、その旨を示して、洪水についての特別警報をしなければならないこと。
2 気象庁は、国土交通大臣が指定した海岸について高潮の特別警報をする場合又は国土交通大臣若しくは都道府県知事が指定した河川について洪水の特別警報をする場合に、国土交通大臣又は関係都道府県知事に対し、水位等の変動の状況等に関する情報の提供を求めることができること。
3 気象庁は、国土交通大臣が指定した海岸について、国土交通大臣及び都道府県知事と共同して、水位を示して高潮についての水防活動の利用に適合する予報及び警報をしなければならないこと。
4 外国法人等は、予報業務の許可を受けようとする場合には、国内代表者又は国内代理人を定めなければならないこと。また、気象庁長官は、予報業務の許可を受けた者の所在(外国法人等にあっては国内代表者又は国内代理人の所在)を確知できないときは、その事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該者から申出がないときは、その許可を取り消すことができること。
5 気象庁長官は、気象業務法又は同法に基づく命令若しくは処分に違反する行為を行った者の氏名等を公表することができること。
二 水防法の一部改正
1 国土交通大臣は、自らが指定した海岸について、高潮のおそれがあると認められるときは、気象庁長官及び当該海岸の存する都道府県の知事と共同して、高潮に係る水位情報を直ちに水防管理者等に通知するとともに、必要に応じ報道機関の協力を求めて、これを一般に周知させなければならないこと。
2 河川管理者等は、その管理する河川等について、浸水想定区域における氾濫による著しい危険が切迫していると認められるときは、直ちにその状況を関係都道府県知事等に通報しなければならないこと。また、当該通報を受けた都道府県知事等は、当該通報に係る事項を直ちに水防管理者等及び気象庁長官に通知するとともに、必要に応じ報道機関の協力を求めて、これを一般に周知させなければならないこと。
三 この法律は、一部を除き、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

