期間の定めのある労働契約の規制等のための労働契約法の一部を改正する法律案(参議院提出、参法第10号)概要
本案は、現下の厳しい雇用情勢にかんがみ、期間の定めのある労働契約(以下「有期労働契約」という。)が簡便な雇用調整に使われることの防止等のため、有期労働契約の締結事由等の制限、雇止めの制限等所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 使用者が有期労働契約を締結することができる事由及び期間の上限を定めること。
二 使用者は、有期労働契約の締結の際には、労働者に対し、契約期間、契約期間の定めをする理由、更新の可能性の有無等を書面により明示しなければならないものとすること。
三 一に該当しない労働契約又は二の書面の明示のない労働契約は、期間の定めのない労働契約とみなすものとすること。
四 使用者は、有期契約労働者又は短時間労働者の賃金等の労働条件について、合理的な理由がある場合でなければ、通常の労働者と差別的取扱いをしてはならないものとすること。
五 一年を超える有期契約労働者は、有期労働契約の期間の初日から一年を経過した日以後においては、二週間前までに使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができるものとすること。
六 更新の可能性を明示された有期契約労働者が、有期労働契約の更新を希望した場合においては、使用者は、契約更新の回数、継続勤務期間等の事情に照らして、当該有期労働契約を更新しないことが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、更新を拒んではならないものとすること。
七 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。