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   臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律案(金田誠一君外2名提出、第168回国会衆法第18号)概要

 本案は、臓器及び組織(以下、「臓器等」という。)の移植が、人権の保障等に重大な影響を与える可能性があることにかんがみ、脳死の定義を改正し、脳死判定を開始することができる要件を明記するとともに、生体からの臓器移植について、ドナーを移植対象者の親族に限定すること等の規制を講ずるもので、その主な内容は次のとおりである。

一 脳死の定義を「脳幹を含む脳全体のすべての機能が不可逆的に喪失すること」に改めること。

二 脳死判定を開始することができる要件を、深昏睡で自発呼吸を消失した状態にあり、器質的脳障害の原因となる疾患が確実に診断され、これに対して行い得るすべての適切な治療を行った上で回復の可能性がないと認められることとすること。

三 組織の移植について、医師は、死亡した者が生存中に、組織を提供する意思を書面により表示している場合であって、遺族がこれを拒まない等のときは、死体(脳死した者の身体は除く。)から組織を摘出し、移植することができるものとすること。

四 生体からの臓器移植について、医師は、腎臓等の機能に障害がある移植対象者の親族(配偶者又は二親等以内の血族に限る)が臓器を提供する意思を書面により表示している場合であって、厚生労働省令で定める基準を満たした病院等が承認するときは、その親族から臓器を摘出し、移植することができるものとすること。

五 国は、臓器等の移植に関し、臓器等を提供する意思表示の有効性、脳死判定の適正性等の調査及び分析を通じて、適正な移植医療の確保を図るための検証を行うものとすること。

六 死亡した者が生存中に、移植術に使用されなかった部分の臓器等が研究目的で使用されることを承諾する意思を書面により表示している場合であって、厚生労働省令で定める基準を満たした施設の承認があった場合に限り、医師等は、その施設において研究に使用することができるものとすること。

七 子どもについての臓器等の移植については、子どもの自己決定及び親の関与が認められる範囲、子どもの脳死判定基準等を含めて専門家その他広く国民の意見を求めつつ検討が加えられ、必要があると認められるときは、所要の措置が講じられるものとすること。

八 この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行すること。

 

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