地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出第43号)概要
本案は、地域共生社会の実現を図るため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 市町村において、既存の相談支援等の取組を活かしつつ、地域住民の抱える課題の解決に資する包括的な支援体制を構築するため、相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援等を実施する重層的支援体制整備事業を創設すること。
二 国及び都道府県は、市町村に対し、重層的支援体制整備事業の実施に要する費用に充てるための交付金を交付するものとすること。
三 国及び地方公共団体は、地域における認知症である者への支援体制の整備その他の認知症に関する施策を総合的に推進するよう努めなければならないものとすること。
四 市町村が地域支援事業を行うに当たっては、介護保険等関連情報等を活用し、適切かつ有効に実施するよう努めるものとすること。
五 市町村介護保険事業計画について、介護給付等対象サービス等に従事する者の確保及び資質の向上等に関する事項、認知症に関する施策の総合的な推進に関する事項並びに有料老人ホーム等の入居定員総数について定めるよう努めるものとするほか、当該市町村の区域における人口構造の変化の見通しを勘案して作成されなければならないものとすること。
六 厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、介護サービス事業者等に対し、介護保険等関連情報を提供するよう求めることができるものとすること。
七 社会保険診療報酬支払基金等は、医療保険被保険者番号等を利用し、保健医療等情報を正確に連結するために必要な情報を提供することができるものとすること。
八 平成二十九年度から令和八年度までの間に介護福祉士の養成施設を卒業した者については、当該卒業した日の属する年度の翌年度の四月一日から五年間、介護福祉士となる資格を有するものとすること。
九 社会福祉事業に取り組む社会福祉法人、NPO法人等を社員として、相互の業務連携を推進する社会福祉連携推進法人制度を創設すること。
十 この法律は、一部の規定を除き、令和三年四月一日から施行すること。