漁業法及び特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四九号)概要
本案は、漁獲量等の報告義務の確実な履行を図り、水産資源の持続的な利用を確保するため、特に厳格に漁獲量の管理を行うべき水産資源について、個体の数等の報告並びに船舶等の名称等の記録の作成及び保存を義務付けるとともに、水産物の販売等の事業を行う者による情報の伝達を義務付ける事項の拡充等の措置を講ずるものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 漁業法の一部改正
1 漁獲可能量による管理を行う特定水産資源のうち、個体の経済的価値が高く、かつ、国際的な枠組み等の事情を勘案して特に厳格な漁獲量の管理を行う必要があると認められるものを特別管理特定水産資源とし、これを採捕する者は、現行の漁獲量等に加え、採捕をした個体の数を報告するとともに、当該採捕に係る船舶の名称、個体ごとの重量等に関する記録を作成し、保存しなければならないものとすること。
2 特別管理特定水産資源に係る報告義務に違反し、かつ、違反行為を引き続きするおそれがある者に対して即時に停泊命令等を行えるようにするとともに、報告義務違反に対する罰則を強化するものとすること。
二 特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律の一部改正
1 水産資源の保存及び管理のための措置に違反する行為が行われるおそれが大きいと認められる水産動植物も規制の対象とすることとし、それに該当するものとして漁業法に規定する特別管理特定水産資源等の採捕や販売等の事業を行う者は、取引の際に、当該水産動植物の採捕に使用した船舶の名称、個体の重量等を伝達するとともに、記録の作成及び保存をしなければならないものとすること。
2 特定第一種水産動植物の輸出時に必要な農林水産大臣が交付する適法漁獲等証明書について、農林水産大臣が指定する者にその交付事務の全部又は一部を行わせることができるものとすること。
三 施行期日
この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。