漁業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出第二六号)概要
本案は、我が国の漁業をめぐる諸情勢の変化に対応して漁業災害補償制度の改善を図り、漁業経営の安定に資するため、漁獲共済及び特定養殖共済を統合して漁獲・特定養殖共済を創設し、併せて当該共済において二以上の漁業種類を一括して対象とする共済契約の成立等を可能とするとともに、養殖共済において損害に係る養殖施設ごとの共済目的の数量が一定の数量以上である場合に共済金を支払うものとする特約を設ける等の措置を講ずるものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 海洋環境変化への対応
1 漁業種類ごとに契約を締結する現行の方式に加えて、二以上の漁業種類を一括して対象とする契約を締結することができる方式を創設し、共済事故の発生率の低下等を踏まえた掛金率を適用するものとすること。
2 共済の対象とならない漁業種類であっても、共済の対象となっている他の漁業種類と併せて副業的に営まれるものについては、共済の対象とする特約を追加するものとすること。
二 養殖業の成長産業化への対応
養殖共済において、契約全体での損害状況に応じた支払に加えて、網いけすなどの養殖施設ごとの損害状況に応じて共済金を支払う特約を追加するものとすること。
三 その他
1 漁業共済組合連合会への漁業施設共済に係る再共済に付す割合を引き上げる措置を講ずるものとすること。
2 漁獲共済及び特定養殖共済において、漁業協同組合が傘下の漁業者をまとめて漁業協同組合として契約する加入方式を廃止するものとすること。
3 漁獲共済及び特定養殖共済において、生産数量の基準生産数量に対する割合の増加に応じて共済金が減額される等の特例を廃止するものとすること。
四 施行期日
この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。ただし、三については、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。