災害対策基本法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五〇号)の概要
本案は、頻発する自然災害に対応して、災害対策の実施体制の強化及び災害時における円滑かつ迅速な避難の確保を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 災害対策基本法の一部改正
1 特定災害対策本部
特定災害(非常災害に該当するに至らない災害で、地域の状況等を勘案して災害応急対策を推進するため特別の必要があると認めるもの)が発生し、又は発生するおそれがある場合に、内閣総理大臣は、防災担当大臣等を本部長とする特定災害対策本部を設置することができること。
2 非常災害対策本部及び緊急災害対策本部
非常災害対策本部の本部長を国務大臣から内閣総理大臣に変更するとともに、非常災害対策本部及び緊急災害対策本部を災害が発生するおそれがある場合から設置することができること。
3 個別避難計画
市町村長は、避難行動要支援者の避難支援等を実施するための個別避難計画を作成するよう努めなければならないこと。
4 市町村長の避難の指示等
市町村長による避難のための立退きの勧告及び指示を指示に一本化するとともに、市町村長は、事態に照らし緊急を要する等と認めるときは緊急安全確保措置を指示することができること。
5 広域避難
災害が発生するおそれがある場合における居住者等の市町村の区域を越えた避難について、市町村長間の協議等を可能とすること。
二 災害救助法の一部改正
災害が発生するおそれがある場合において、都道府県知事等は、特定災害対策本部等の所管区域とされた市町村の区域内において、同法による避難所の供与を実施することができること。
三 内閣府設置法の一部改正
内閣府に防災分野を掌理する特命担当大臣を置くものとすること。
四 施行期日
この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。