政治資金規正法の一部を改正する法律案(鈴木馨祐君外五名提出、衆法第一三号)概要
本案は、国会議員関係政治団体の代表者の責任の強化、政治資金監査の強化、政治資金の透明性の向上のためのデジタル化の推進、政治資金パーティーの対価支払者の氏名等の公開基準の引下げ、いわゆる政策活動費の使途の明細の公開の導入等の措置を講ずるもので、その主な内容は次のとおりである。
一 国会議員関係政治団体の代表者の責任の強化等
1 国会議員関係政治団体の代表者は、会計責任者を監督し、会計帳簿、明細書、領収書等が保存されていること、会計帳簿を備えていること等を確認するとともに、収支報告書が法の規定に従って作成されていることを確認し、その旨を記載した確認書を会計責任者に交付しなければならないこと。
2 収支報告書の不記載又は虚偽記入があった場合において、確認書を交付せず、又は確認をしないで確認書を交付した者は、五十万円以下の罰金に処すること。
3 収支報告書に記載すべき収入の不記載又は虚偽記入があった場合において、それらに相当する金額の範囲内の金銭を国庫に納付するときは、公職選挙法の寄附の禁止等の規定は適用しないこと。
二 政策研究団体を国会議員関係政治団体とするとともに、国会議員関係政治団体の政治資金監査の確認事項に、残高確認書等に基づいて翌年への繰越しの状況が収支報告書に表示されていることを追加すること。
三 国会議員関係政治団体に係る収支報告書等について、オンライン提出を義務付けること。また、総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、収支報告書等をインターネットで公表しなければならないこと。
四 収支報告書における政治資金パーティーの対価の支払をした者の氏名等の公開基準額を、現行の二十万円超から十万円超に引き下げるとともに、対価の支払方法を預貯金口座への振込みによるものとすること。
五 政党の会計責任者は、政党から国会議員に係る公職の候補者への支出で金銭によるもの(一件当たり五十万円超のいわゆる政策活動費)を収支報告書に記載するときは、当該支出に係る収支報告書の記載項目と同様の項目別の金額を記載しなければならないこと。
六 国会議員関係政治団体以外の政治団体のうち、各年中において国会議員関係政治団体から受けた寄附の金額が一千万円以上となった政治団体は、その年及びその翌年において国会議員関係政治団体の特例に係る規定を適用すること。
七 収支報告書に記載された個人寄附者等の住所に係る部分を公表するときは、都道府県、郡及び市町村の名称に係る部分に限って行うものとすること。
八 この法律は、一部を除き、令和八年一月一日から施行すること。
九 この法律の施行の状況等を勘案して必要があると認められるときは、独立性が確保された政治資金に関する機関の活用も含めて検討が加えられ、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとすること。