政治資金規正法等の一部を改正する法律案(落合貴之君外十名提出、衆法第一四号)概要
本案は、収支報告書の不記載、虚偽記入等に関する政治団体の代表者に対する罰則の強化、政治資金監査の対象となる政治団体及び事項の拡大、収支報告書のデジタル化の一層の推進、政党から公職の候補者に対してされる寄附の禁止及び渡切りの方法による支出の禁止等の措置を講ずるもので、その主な内容は次のとおりである。
一 収支報告書等に関する代表者の罰則の強化
1 政治団体の収支報告書については、当該政治団体の会計責任者とともに、当該政治団体の代表者も、その記載及び提出をしなければならないものとすること。
2 一件百五十万円を超える金額の寄附については、それ以外の寄附と区別して収支報告書に記載しなければならないものとし、重過失以外の過失によりこれを収支報告書に記載しなかった者は、五十万円以下の罰金に処するものとすること。
二 各年中において同一の公職の候補者が代表者である国会議員関係政治団体から受けた寄附の金額の合計額が百万円以上となった国会議員関係政治団体以外の政治団体(政党及び政治資金団体を除く。)は、その年及びその翌年の収支報告書の記載等について、国会議員関係政治団体であるものとみなすこと。
三 登録政治資金監査人による政治資金監査の対象となる政治団体(以下「政治資金監査対象団体」という。)に、政党本部及び政治資金団体並びに政策研究団体等を追加し、また、登録政治資金監査人による政治資金監査の対象となる事項に、その年における収入に関する事項を追加すること。
四 政治資金監査対象団体に係る収支報告書等について、オンラインによる提出を義務付けること。
五 総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会は、収支報告書の要旨を公表するとともに、当該報告書をインターネットにより公表しなければならないこと。この場合、収支報告書に記載された個人の寄附者の住所に係る部分を公表するときは、都道府県、郡及び市町村の名称に係る部分に限って行うものとすること。
六 総務大臣は、国会議員関係政治団体について、インターネット公表された収支報告書を国会議員に係る公職の候補者ごとに一元的に閲覧することができるようにするため、必要な措置を講ずるものとすること。
七 政党がする公職の候補者個人への政治活動(選挙運動を除く。)に関する金銭等による寄附を禁止するとともに、政治団体の経費の支出は、渡切りの方法によっては、することができないものとすること。
八 この法律は、令和八年一月一日から施行すること。
九 政治資金に関する政策の提言、国会議員に関係する政治団体の政治資金に関する法令の規定の遵守の状況の監視及び当該規定の違反があった場合における勧告等を行う機関を国会に設置することとし、その在り方については、速やかに検討が加えられ、その結果に基づき必要な措置が講ぜられるものとすること。