福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第17号)の概要
本案は、福島の復興及び再生を一層推進するため、避難を余儀なくされている者の生活の拠点を形成する事業を行う地方公共団体に交付金を交付する制度を創設するとともに、住民の居住及び事業活動が制限されている区域等においても国が生活環境整備事業を実施することを可能とする等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
1 生活拠点形成事業計画及びこれに基づく措置
福島県知事及び避難先市町村、避難元市町村その他の地方公共団体の長は、居住制限者の生活の拠点を形成するため、共同して、公営住宅の整備、道路の新設、義務教育諸学校等施設の整備等を記載した生活拠点形成事業計画を作成できるものとすること。公営住宅の整備等を実施しようとするときは、当該計画を内閣総理大臣に提出しなければならないものとし、国は、当該計画に係る公営住宅の整備等に要する経費に充てるため、予算の範囲内で、交付金を交付できるものとすること。
2 避難解除等区域復興再生計画及びこれに基づく措置
避難解除等区域復興再生計画に、現に避難指示(警戒区域設定の指示を除く。以下同じ。)の対象となっている区域におけるものであって、避難解除等区域の復興及び再生のために特に必要と認められるものを定めることができることとし、現に避難指示の対象となっている区域において、国が自ら復興漁港工事、復興道路工事、生活環境整備事業等を実施できるものとすること。
3 企業立地促進計画及びこれに基づく措置
福島県知事は、企業立地促進計画を作成できるものとし、企業立地促進区域内において避難解除等区域復興再生推進事業を実施する個人事業者又は法人から申請のあった事業実施計画を、一定の基準に適合する場合に、認定するものとすること。認定事業者が事業用施設・設備の新増設に伴い新たに取得した機械等について、また、認定事業者が原子力災害の被災者を企業立地促進区域内に所在する事業所において雇用している場合については、それぞれ課税の特例の適用があるものとすること。なお、本特例措置による福島県及び市町村の減収額は、これらの地方公共団体に対して交付すべき特別交付税の算定の基礎に算入するものとすること(4において同じ。)。
4 既存の事業所に係る個人事業者等に対する課税の特例
避難指示の対象となった区域内に平成23年3月11日においてその事業所が所在していたことについて、福島県知事の確認を受けた個人事業者又は法人に講ぜられている課税の特例措置について、住民の居住及び事業活動の制限を求める指示の対象となっている区域に拡充すること。
5 この法律は、公布の日から施行すること。