地方公共団体情報システムの標準化に関する法律案(内閣提出第三一号)の概要
本案は、国民が行政手続において情報通信技術の便益を享受できる環境を整備するとともに、情報通信技術の効果的な活用により持続可能な行政運営を確立することが国及び地方公共団体の喫緊の課題であることに鑑み、地方公共団体情報システムの標準化を推進するために必要な事項を定めようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 地方公共団体情報システムの定義
この法律において「地方公共団体情報システム」とは、地方公共団体が利用する情報システムであって、情報システムによる処理の内容が各地方公共団体において共通し、かつ、統一的な基準に適合する情報システムを利用して処理することが住民の利便性の向上及び地方公共団体の行政運営の効率化に寄与する事務として政令で定める事務(以下「標準化対象事務」という。)の処理に係るものをいうものとすること。
二 国による基本方針の作成
政府は、地方公共団体情報システムの標準化の推進を図るための基本的な方針を定めなければならないものとすること。
三 地方公共団体情報システムの標準化のための基準等
1 標準化対象事務に係る法令又は事務を所管する大臣は、当該法令又は事務に係る地方公共団体情報システムに必要とされる機能等について、地方公共団体情報システムの標準化のため必要な基準を定めなければならないものとすること。
2 内閣総理大臣及び総務大臣は、データの相互運用性の確保、サイバーセキュリティ等、各地方公共団体情報システムに共通して必要となる基準を定めなければならないものとすること。
四 標準化基準に適合する地方公共団体情報システムの利用
地方公共団体情報システムは、三の1及び2の基準に適合するものでなければならないものとすること。
五 その他の措置
1 地方公共団体は、クラウド・コンピューティング・サービス関連技術に係るサービスを全地方公共団体において利用できるようにするための国による環境整備の状況を踏まえつつ、当該環境において同技術を活用して地方公共団体情報システムを利用するよう努めるものとすること。
2 国は、地方公共団体情報システムの標準化のために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとすること。
六 施行期日
この法律は、令和三年九月一日から施行すること。