放送法の一部を改正する法律案(内閣提出第三二号)の概要
本案は、日本放送協会(以下「協会」という。)の放送番組が社会生活に必要不可欠な情報として公衆にあまねく提供されるべきものであることに鑑み、協会の放送番組を放送の受信設備を有しない者に対してもその環境に適した形態で継続的かつ安定的に提供するため、協会が電気通信回線を通じて放送番組等を一般の利用に供する業務を協会の必須業務とするとともに、当該業務により電気通信回線を通じて提供される協会の放送番組等の受信を開始した者に対して協会との受信契約を締結する義務を課す等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 放送番組の配信に係る業務の必須業務化
原則として全ての協会の放送番組について、同時配信及び見逃し配信を協会の必須業務とすること。
二 番組関連情報の配信に係る業務の必須業務化
1 放送番組と密接な関連を有する情報であって、放送番組の編集上必要な資料により構成される番組関連情報の配信について、協会の必須業務とすること。
2 番組関連情報の配信を行う業務を協会自らの判断と責任において適正に遂行するため、協会に対して業務規程の策定、公表等を義務付けるとともに、その実施状況を定期的に評価すること等を義務付けること。
三 受信料の公平負担の確保
テレビ等の放送の受信設備を設置した者と同等の受信環境にある者として、通信端末機器の操作等を経て、協会が必須業務として行う放送番組等の配信の受信を開始した者を、受信契約の締結義務の対象とすること。
四 民間放送事業者が講ずる難視聴解消措置への協力に係る義務の強化
民間放送事業者が講ずる難視聴解消措置について、民間放送事業者から、協会が行う協力の具体的な内容に関する協議の求めがあったときは、協会は当該協議に応じなければならないこと。
五 施行期日
この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。