衆議院

メインへスキップ



在外教育施設における教育の振興に関する件

 

令和四年六月三日

衆議院文部科学委員会

 

 

我が国の国際的諸活動の進展に伴い、多くの日本人が海外で勤務しており、家族を帯同する者も少なくない。このような海外で暮らす日本人の子供たちの教育を受ける機会の確保を図る上で、日本人学校、補習授業校等の在外教育施設は重要な役割を果たしており、令和三年四月時点で、三万四千人を超える義務教育段階の児童生徒が学んでいる。

在外教育施設の在り方は時代とともに大きく変容し、昨今では、在籍する児童生徒の多様化、また高等部や幼稚部設置のニーズの高まりなど、その教育を取り巻く環境の変化に対応する必要がある。

このような状況を踏まえ、本委員会において、在外教育施設における教育の振興に関し、基本理念を定め、及び国の責務を明らかにするとともに、基本方針の策定その他在外教育施設における教育の振興に関する施策の基本となる事項等を定める「在外教育施設における教育の振興に関する法律案」を起草する運びとなった。

 

政府は、同法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 

一 在外教育施設が自主的な活動として日本語の普及を行うに当たっては、世界各地に日本にルーツを持つ子供たちが在住している現状を踏まえ、日本語指導体制の整備、敬語等を含めた日本語教育内容の充実が図られるよう十分な支援を行うこと。また、在留邦人の子以外の者であってその教育を受けることを希望するものの受入れを行うに当たっては、教育環境が各国で異なっている等の事情も勘案した上で、当該在外教育施設に適切な支援を行うこと。

 

二 在外教育施設は国際的な交流拠点や日本文化の紹介の拠点としての機能も有することが法律上明確化されたことを契機として、在外教育施設の自主性を尊重しつつ、その機能強化を図るための支援を充実するとともに、在外教育施設には、海外において日本文化への関心喚起にも資する可能性があることを広く周知すること。

 

三 在留邦人の子供たちの学ぶ権利を保障する観点から、在外教育施設における教育に関しては、教員の確保、現地採用の教員の待遇、特別な支援を必要とする子供たちへの対応等の課題があることに鑑み、在外教育施設の実態を踏まえ、必要な支援を行うこと。

 

右決議する。

衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.