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   平成二十年度畜産物価格等に関する件

 

 配合飼料価格の急激な高騰、WTO農業交渉及びEPA交渉の本格化など、我が国の畜産・酪農経営を取り巻く情勢は、極めて厳しいものがある。

 よって政府は、こうした情勢を踏まえ、平成二十年度の畜産物価格及び関連対策の決定に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。

               記

一 飼料や原油価格の高騰等による生産コストの急激な上昇やWTO農業交渉、EPA交渉の本格化等を踏まえ、自給率の向上と安全・安心な畜産物の安定供給を目指した生産者が意欲を持って取り組めるよう、畜産・酪農政策を確立すること。

二 配合飼料価格安定制度については、同制度による補てん金の支払が農家にとって重要な役割を果たしていることにかんがみ、通常補てん基金が財源の上で安定的に運営されるよう万全の措置を講ずること。

三 加工原料乳生産者補給金単価については、生産者の努力が報われ、意欲を持って営農に取り組めるよう、飼料価格の高騰等を反映し、再生産の確保を図ることを旨として適正に決定すること。また、加工原料乳限度数量については、バター及び脱脂粉乳の安定的な需給を確保する観点から、生乳の生産事情、牛乳・乳製品の需給動向等を踏まえて適正に決定すること。

  さらに、生乳の需給安定を図るため、脱脂乳の需要開発、液状乳製品・チーズ向けの生乳の供給拡大、牛乳・乳製品の消費拡大等に努めること。

四 牛肉・豚肉の安定価格及び肉用子牛の保証基準価格等については、畜産農家の経営安定に資するよう、需給動向、価格の推移、飼料価格の高騰などに十分配慮し、再生産の確保を図ることを旨として適正に決定するとともに、肉用牛農家及び養豚農家の経営安定対策の充実・強化を図ること。

五 飼料の輸入依存体質を転換し、国産飼料に立脚した畜産・酪農を確立する観点から、青刈りとうもろこし等の高栄養飼料作物の生産拡大、エコフィード、未活用・低利用資源の利用拡大、稲発酵粗飼料や飼料用米の利用拡大及び水田・耕作放棄地への放牧等の耕畜連携を強力に推進すること。

六 家畜の生産性向上を図るため、乳量の増加や乳質の改善、出荷頭数の増加に向けた繁殖性向上対策や事故率低減のための家畜疾病対策を強化するとともに、効率的な飼養管理技術の普及を推進すること。

七 飼料価格の高騰に伴い、農家の生産性向上に向けた努力にもかかわらず、畜産物価格が上昇せざるを得ない状況について流通業者や消費者の理解が得られるよう、広報・啓発に努めるとともに、生産者団体や消費者団体の取組を支援すること。

八 山場を迎えたWTO農業交渉及びFTA・EPA交渉に当たっては、平成十八年十二月の本委員会決議の「日豪EPAの交渉開始に関する件」の趣旨を踏まえ、我が国の畜産・酪農が今後とも安定的に発展できるよう、適切な国境措置等の確保に向けて、確固たる決意をもって臨むこと。

 右決議する。

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