衆議院

メインへスキップ



平成二十三年東北地方太平洋沖地震への対応及び地方税財政基盤の早期確立に関する件

 

 政府は次の諸点について措置すべきである。

 

一 平成二十三年東北地方太平洋沖地震に関連した平成二十三年度補正予算の編成に当たっては、被災状況を的確に把握し、所要の地方交付税措置をはじめ十分な地方財政措置を講じ、被災地域の地方公共団体に対して万全の対策を講ずること。

 

二 現下の厳しい経済環境の下において、地方の疲弊が極めて深刻化していることに鑑み、地方交付税については、本来の役割である財源調整機能と財源保障機能が十分発揮できるよう、引き続き、地方税等と併せ地方公共団体の安定的な財政運営に必要な総額の充実確保を図るとともに、税制の抜本的な改革に向けて、法定率の引上げを含めた抜本的な見直しを検討し、特例措置に依存しない持続可能な制度の確立を目指すこと。

 

三 地方税については、地方財政の自主性・自立性を確立するとともに、地方公共団体間の格差是正を図る観点に立って、地方消費税の拡充・強化をはじめ、国、地方を通ずる税体系の抜本的な見直しと国、地方間の税源配分の見直しなどを行い、速やかに偏在度が小さく、安定的で充実した財源の確保を可能とする地方税制の構築を図ること。

 

四 巨額の借入金に係る元利償還が地方公共団体の財政運営を圧迫し、諸施策の実施を制約しかねない状況にあることに鑑み、計画的に、地方財政の健全化を進めるとともに、臨時財政対策債をはじめ、累積する地方債の元利償還については、将来において地方公共団体の財政運営に支障が生じることのないよう、万全の財源措置を講ずること。

 

五 地方債制度及びその運用の在り方については、地方債の円滑な発行と流通、保有の安全性を確保するとともに、地方公共団体の自主的・主体的な財政運営に資する観点から、見直しを検討すること。

 

六 地方税財政に係る諸制度の見直しに当たっては、財政基盤の脆弱な市町村に対し、特段の配慮を行うこと。特に、今回、地方交付税の総額に対する特別交付税の割合を引き下げ、普通交付税に移行させるに当たっては、この点に十分留意すること。

 

七 地域自主戦略交付金については、国と地方の協議を通じ、その運用に地方の意見を十分反映させるとともに、これへの移行を契機とした国庫補助負担金の総額の削減を行わないこと。

 

八 政策的促進策の下に、多くの市町村合併が行われてから相当の期間が経過している現在、合併当時に予想できなかった社会経済情勢の変動が生じている団体も多いことに鑑み、合併市町村の合併に伴う特例措置の適用状況と行財政運営の現状を分析し、これを踏まえ、合併市町村の今後の行財政運営に不測の支障が生じることがないよう、適切な措置を講ずること。

なお、市町村合併による議員定数の減少、行政改革に伴う議員定数及び報酬の削減等を背景とする地方議会議員年金制度の廃止については、年金受給権者等に対し十分な説明を行う等円滑な廃止に向け最大限の配慮を行うとともに、国民の政治参加や人材確保の観点を踏まえた新たな年金制度の可能性についても検討を行うこと。

 

 右決議する。

衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.