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平成十二年七月六日提出
質問第九号

中尾元建設大臣の受託収賄事件に関する質問主意書

提出者  保坂展人




中尾元建設大臣の受託収賄事件に関する質問主意書


 建設大臣在任中の受託収賄容疑で、中尾栄一前衆院議員が六月三十日に逮捕されたことは、国民の政治家に対する信頼を大きく傷つけた。ロッキード事件やリクルート事件、ゼネコン汚職、金丸信元自民党副総裁の巨額脱税などで、何度も見直しを迫られたはずの「利権政治」がその後もずっと続いていたことに深い失望が広がっている。公共事業の配分で建設業者を籠絡し、選挙に協力させ、議会勢力の維持を図る手法にいまなおしがみつく政権与党と内閣は、今回の中尾元建設大臣の逮捕を厳しく自省しなければならない。
 新聞報道を見ると、国民は今回の事件で、建設省の公共事業発注システムの実態などをあらためて知りたいと考えている。東京地検の捜査の展開により一部与党有力議員らへの建設会社からの資金提供の実態が追及される事態も想定され、政治家と建設業者、そして役所との関係の実態を厳しく検証する必要がある。
 昨年「国家公務員倫理法」が成立し、今年施行されたが、肝心の政治倫理の確立は急務だ。内閣は議院の国政調査権と国民の知る権利を尊重し、以下の質問に具体的に答弁されたい。また事態は急展開しており、国会法所定の期間に答弁されたい。

一 建設大臣

 (1) 建設大臣の職務権限を明らかにされたい。
 (2) 歴代建設大臣が起訴されたケースを具体的に明らかにされたい。
 (3) 建設省職員が起訴されたケースを具体的に明らかにされたい。
 (4) 公共事業発注をめぐり、歴代建設大臣や建設省職員が起訴された後、同省はどのような改善策を講じてきたか。具体的に説明されたい。
 (5) 競争入札の指名業者選定に大臣の意向が反映されるシステムになっているか。
 (6) 今回の事件で、贈賄側とされる若築建設に発注された公共事業をすべて明らかにされたい。その際、当時の建設大臣名と随意契約、指名競争入札、一般競争入札の別も付記されたい。
 (7) 過去の事件を踏まえ、現在公共事業の発注、競争入札の指名業者選定、関係職員の業務が適正に遂行されたかを検証するシステムはどのようになっているか。
 (8) 建設大臣の就任祝いはこれまで、過去どのような形で実施されてきたか。大臣ごとに具体的に明らかにされたい。
 (9) 建設省の事務次官や官房長、各局長が出席した大臣の就任祝いは過去、何回実施されたか。具体的に説明されたい。公費が支出された場合はその金額も明らかにされたい。
 (10) 報道によると、一九九六年五月、当時の中尾建設大臣の就任祝いが東京・向島の料亭で開かれ、竹下元総理や亀井静香衆院議員、藤井建設事務次官らが出席したとされるが、事実か。事実とすれば、その際中尾大臣らは公用車を使用したか。公費は支出されたか。

二 政治倫理

 (1) これまで政府が、政治倫理確立のため実行してきた施策を順次、明らかにされたい。
 (2) 政府は政治倫理確立のために実行してきたこれまでの施策で十分と考えているか。十分と考えていない場合、今後どのような施策を検討しているか。
 (3) 過去に現与党の公明党も加わって「あっせん利得罪」を新設する法案が提出されてきた。また、特別国会でも四野党より、同種の法案が共同提案された。政府は「あっせん利得罪」導入について、どのように考えているか。
 (4) 検察当局はこれまでの捜査を振り返り、あっせん利得罪の必要性を感じたことはないか。
 (5) ロッキード事件で運輸省、リクルート事件で内閣官房や労働省、文部省、ゼネコン汚職で建設省、公正取引委員会、各自治体がそれぞれ事件の舞台となった。政府は政治家、行政官庁、各業界との関係について、あるべき姿はどのようなものと考えているか。

 右質問する。



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