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平成十三年二月八日提出
質問第一四号

防衛庁の秘密保全体制の現状に関する質問主意書

提出者  金田誠一




防衛庁の秘密保全体制の現状に関する質問主意書


 「衆議院議員金田誠一君提出防衛庁の秘密保全体制に関する質問に対する答弁書」(平成十二年十一月十七日答弁、以下「答弁書」という。)の不明な点につき以下質問する。

一 秘密保全に関する規則について

 防衛庁においては「秘密保全に関する内訓」と題する規則が存在するはずであるが、答弁書の別表には掲載されていない。その理由を明らかにされたい。

二 秘密の取り扱い場所について

 1 答弁書によると「秘密保全に関する訓令」(昭和三十三年防衛庁訓令第百二号)第二十条に基づいて立入を禁止された場所以外でも「秘密の知識又は文書、図画若しくは物件」が取り扱われる場合があるとのことであるが、これに関し以下の点を明らかにされたい。
 @ 本来、秘密(「自衛隊法」第五十九条で定める「秘密」。以下同じ。)を取り扱うのであれば、関係者以外の立入を禁止することがその保全上当然行われるべき措置である。そうした措置が取られることなく、秘密が取り扱われている現状に関して政府の見解を明らかにされたい。
 A 現在防衛庁・自衛隊において、関係者以外の立ち入りが禁止されていない場所で秘密が取り扱われている理由について明らかにされたい。
 B 現在、防衛庁本庁において関係者以外の立ち入りが禁止されていないにもかかわらず日常的に秘密が取り扱われている区域について明らかにされたい。
 2 答弁書によると「現在、防衛庁本庁において、部外者の立入りが可能な場所において、秘密の知識又は文書、図画若しくは物件が取り扱われる場合はある」とされている。
 このような実態は、秘密保全体制としてはずさんの一言に尽きる。部外者の立入り可能な場所での秘密の取り扱いを直ちに取り止めるべきと考えるが、政府の見解はどうか。

三 秘密の非公知性について

 答弁書によると一般に知られないことをもって非公知性は失われないとの見解を示している。
 そこで、昨年発生した海自三佐による秘密漏洩事件のように、一般には知られたわけではないが、外国の情報機関に内容が知られた場合は非公知性は失われたと見るのか、政府の見解を明らかにされたい。

四 外部への秘密の委託について

 1 答弁書によると「秘密の文書、図画又は物件の製作等を政府機関に委託するときの保全措置を定めた規則については、制定していない」とのことであるが、その理由を明らかにされたい。
 2 答弁書によると「生物兵器への対処に関する懇談会開催運営要綱」第七にいう「秘密」を同懇談会委員が他に漏らした場合の制裁措置は定めていないとのことである。
 昨年発生した海自三佐による秘密漏洩事件のように、刑事罰による制裁があるにもかかわらず自衛官が秘密を漏洩した事実がある。そこで同懇談会で扱われる「秘密」が制裁措置なしに保全され得るのか、その根拠を明らかにされたい。

五 「取扱い上の注意を要する文書等」の取扱いについて

 答弁書によると「取扱い上の注意を要する文書等の取扱いについて(通達)」(昭和五十六年三月二日防防調一第九百四十八号)で定める「取扱い上の注意を要する文書等」の取扱いについて、「その送達、貸出し又は閲覧を記録することとされていない」とある。
 しかしながら、「注意文書等の取扱いに関する達」(昭和四十八年防衛研修所達第九号)第八条、「取扱上の注意を要する文書等の取扱いについて(通達)」(平成九年一月二十日情本総第九号)六、「取扱上の注意を要する文書等の取扱いについて(通達)」(昭和五十六年三月十七日陸幕調一第七十四号)二は、防衛庁職員以外の者に閲覧等をさせる場合に所要の記録をすることを定めている。
 そこで以下の点を明らかにされたい。
 1 「その送達、貸出し又は閲覧を記録することとされていない」としているのは、内部部局に関してのみではないのか。
 2 仮に内部部局のみ、そうした記録をしていないとすると、管理体制がずさんの一言に尽きるが、政府の見解はどうか。
 3 内部部局においても直ちに「取扱い上の注意を要する文書等」の閲覧、貸出について記録を取るような体制にすべきと考えるが、政府の見解はどうか。

六 「取扱い上の注意を要する文書等」の秘密性について

 1 答弁書によると「『取扱い上の注意を要する文書等』のうち自衛隊法第五十九条に規定する『秘密』に該当しないもの」との表現が繰り返されているが、このことは逆に「取扱い上の注意を要する文書等」の中には自衛隊法第五十九条に規定する「秘密」に該当するものが含まれている文書等が存在することがうかがえる。
 そこで以下の点を明らかにされたい。
 @ 「取扱い上の注意を要する文書等」の中には、自衛隊法第五十九条に規定する「秘密」に該当するものを含み、かつ「秘密保全に関する訓令」(以下「訓令」という。)第二条で定める「秘密」には指定されていないものが存在するのか。
 A @に該当するものについてその件数及び点数を明らかにされたい。
 2 答弁書では、訓令第五条各号(「極秘」、「秘密」、「秘」)のいずれにか該当するものに対して、秘密の指定をつかさどる職員が、訓令第五条各号のいずれかの秘密区分に指定しなかった場合、当該職員は自衛隊法第四十六条第一項各号のいずれかに該当し、懲戒処分の対象となることを明らかにしている。
 そこで、前記1の@に該当する文書等が仮に存在する場合、当該秘密の指定をつかさどる職員は自衛隊法第四十六条第一項各号のいずれかに該当するという理屈となるはずだが、政府の見解はどうか。

七 自衛隊法第五十九条(守秘義務)と捜査当局への協力について

 答弁書によると捜査当局への協力の過程で「秘密を明らかにできるか否かは、これを明らかにすることによって得られるべき公益と、守秘義務によって守られるべき公益とを個別具体的に比較衡量して決せられるもの」としている。
 そこで以下の点を明らかにされたい。
 1 「比較衡量して決せられる」とあるが、それを決定する主体は誰か明らかにされたい。
 2 訓令第五条(一)で定める「機密」とは、「秘密の保全が最高度に必要であつて、その漏えいが国の安全又は利益に重大な損害を与えるおそれのあるもの」であるが、「これを明らかにすることによって得られるべき公益」とは何か政府の見解を明らかにされたい。
 3 訓令第五条(二)で定める「極秘」とは、「機密につぐ程度の秘密の保全が必要であつて、その漏えいが国の安全又は利益に損害をあたえるもの」であるが、「これを明らかにすることによって得られるべき公益」とは何か政府の見解を明らかにされたい。
 4 訓令第五条(三)で定める「秘」とは、「極秘につぐ程度の秘密の保全が必要であつて、関係職員以外の者に知らせてはならないもの」であるが、「これを明らかにすることによって得られるべき公益」とは何か政府の見解を明らかにされたい。

八 日本電気株式会社において平成二年に発覚した秘密漏えい事案について

 同秘密漏えい事案については、「契約企業における秘密保全の更なる徹底について(通達)」(平成十年防防調第五千二百九十九号)で認めるところである。
 そこで漏えいした秘密は「自衛隊法」第五十九条で定める「秘密」に該当するのか明らかにされたい。

九 以下に関わる文書のタイトル・発簡番号・制定年月日を明らかにされたい。なおそれらを明らかにできない場合は、その法令上の根拠をそれぞれ明らかにされたい。

 1 訓令第二十九条第二項の「事務次官の定めるところ」。
 2 訓令第三十条第六項の「官房長等(内部部局にあつては、官房長)の定めるところ」。

十 秘密指定解除文書の公開について

 答弁書によると秘密指定を解除された文書の公開について「引き続き検討してまいりたい」としているが、この点に関し以下の点を明らかにされたい。
 1 この問題に関する現在の責任者の官職と氏名を明らかにされたい。
 2 この問題に関してこれまで検討してきた実績を明らかにされたい。

 右質問する。



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