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平成十四年三月十三日提出
質問第四三号

平成十四年度診療報酬改定における歯科往診車内での治療の規制に関する質問主意書

提出者  山田敏雅




平成十四年度診療報酬改定における歯科往診車内での治療の規制に関する質問主意書


 平成十四年度診療報酬の改定内容では、「療養中の患者が居住している屋内での治療に限るなど、患者の居宅からの移動を伴わない場合に限定」と、医療・介護の在宅重視の時代に逆行する狭義の解釈がされています。これは、現行、診療報酬制度下で認められている、「歯科往診車内における治療」を事実上「歯科訪問診療料の算定」から排除しようとするものです。
 今般の診療報酬改定は、医療制度の改革と共に、高騰する医療費の効率的な削減が最重要課題となっているわけでありますが、良質で安全な訪問歯科診療を提供する往診車の排除は、通院困難な患者さんに対し、しっかりした治療ができなくなるため、却って医療費高騰に繋がる可能性もあり、早急に修正する必要があります。
 従って、次の事項について質問致します。

一 この「歯科往診車」は、通常の診療所に限りなく近い設備を搭載し、歯科治療用に改造した普通ワンボックスカーの車内で治療するというもので、「通院困難な患者さん」にとっては現行、存在するあらゆる歯科治療器具の中で最も「安全で、良質な」在宅歯科治療の提供が可能な歯科治療器具となっており、既に全国の多くの通院困難な患者さん達が利用し、喜ばれております。
 ところが先般、中医協が答申した内容を見ますと、「療養中の患者が居住している屋内での治療に限るなど、患者の居宅からの移動を伴わない場合に限定」と実質的に歯科往診車内での治療を排除する方向性が打ち出されております。
 居宅内での治療では歯科訪問診療料が算定でき、往診車を使っての治療では算定できないのはどのような理由によるものでしょうか。
 医療法第一条の二第二項の「医療は、・・・医療を受ける者の居宅等において・・・」と言う文言を殊更、狭義に解釈するというのであれば、このような患者本位、在宅重視の時代の流れに逆行するような、方向性が打ち出された経緯及び発端とは、如何なるものでしょうか。これでは多くの患者さんが不利益を蒙ることになります。
 また厚生省令第十五号(療養担当規則)第二章第十二条の「保険医の診療は・・・患者の健康の保持増進上妥当適切に行われなければならない」との基本指針、憲法第二十五条の「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」との大原則にも反することになります。
 現行制度下では、歯科往診車内での治療について「歯科訪問診療料の算定」は認められており、多くの善意の歯科医師は、当然「歯科訪問診療料の算定」が出来るものとして「歯科往診車」を導入しているわけであります。もし、歯科診療車内での治療について「歯科訪問診療料の算定」が認められないということになれば、事実上、これは患者さんやその家族が切望している歯科訪問診療車を使っての良質で安全な訪問診療ができなくなってしまいます。
 「歯科往診車内での治療」に対して「訪問診療の算定」が継続して認められますよう、速やかな対応をされたく、希望しますが、今般の狭義解釈の正当な理由と、このような方向性が打ち出された経緯と発端をできるだけ具体的に回答ください。

 右質問する。



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