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平成十四年七月三十日提出
質問第一八六号

財団法人海外技術者研修協会の運営に関する質問主意書

提出者  保坂展人




財団法人海外技術者研修協会の運営に関する質問主意書


 私は二〇〇〇年四月三十日の衆議院決算行政監視委員会で当時の通産省所管の財団法人海外技術者研修協会における研修センターの運営(旅館業法違反)問題、研修生の来日に伴う渡航費(補助金適正化法違反)問題について質問を行うとともに、質問主意書で三回にわたり質し答弁書を受領したが、それら答弁内容はいずれも疑惑の当事者である財団からの聞き取りのみに終始し、不十分であるばかりでなく事実に反するものも少なからずあった。
 二〇〇〇年九月四日には通産省から行政指導が行われ、財団は三億四三〇〇万円に上る補助金と加算金を国庫に返納し、私の指摘した不正を一部認める結果となった。二〇〇一年十月一日に財団は経済産業省に対して「全て措置が終了いたしました」とする報告書を提出しこの問題の対処を終了したと聞いている。
 ところが渡航費の調査や同窓会との関係改善など、その後も財団の対処は極めて不透明で補助金適正化法違反の疑いが晴れたとは言いがたい。これまで三回の質問主意書を踏まえ政府に対し、明確な答弁を求めるものである。

一 これまでの答弁書及び渡航費問題について
 『財団法人海外技術者研修協会の運営に関する質問主意書に対する答弁書』(二〇〇〇年九月五日付)にはいくつもの矛盾点がある。以下具体的に質したい。
 1 『答弁書』一の(6)で「インド研修生から航空券に関する訴えがあったとの事実はない」、ただし「普通料金の航空運賃を支払ったにもかかわらず、同窓会から制限付きの航空券が配布されたとの話があった」と答弁されたが、この「話はあった」が「事実はなかった」ということなのか。この点についていかなる調査をしたのか明らかにされたい。
 2 『答弁書』一の(7)から(9)までにおいて、財団職員がブルガリア同窓会会長に対して航空券代請求の是正措置を行ったが、この是正措置に財団相談役は関与しなかったとされている。これは事実か再確認したい。
 3 ブルガリア同窓会へ渡航費の是正措置を申入れた財団職員とブルガリアを同時期に訪問していた財団相談役は当同窓会が不正請求を行っていたことを認識していたのではないか。そうであれば同窓会の申請を受け付けたのは財団海外業務部長(当時)であり、受理したのが財団理事長なので、財団は不正の存在を十分承知しながら放置していたことになる。このことについて監督官庁としての経済産業省の見解を問う。
 4 財団に対して一九九九年度から過去五年にさかのぼって行われた渡航費確定調査では日本企業からの渡航費の不正請求はなく、同窓会だけが九百十八件の不正請求が発見された。
 渡航費に関して日本企業には申請時の「航空券及び領収書」の両方の提出を求めたが、同窓会には申請時に、財団海外業務部長(当時)から「航空券または領収書」のいずれかの提出を求め受理していたというダブルスタンダードがあったという事実がある。これら日本企業と同窓会との差別化の理由を明確に示すとともに、監督官庁としてこの判断に対する見解を述べられたい。
 5 財団は同窓会を「イコールパートナー」と位置付け、同窓会専用の特設管理コースを設定し、参加する研修生から賛助金を得ていた。渡航費と賛助金収入は密接な関係にあり、渡航費が高ければそれだけ財団の収入増となる。同窓会が研修生を送り込んだというよりは、財団が同窓会と事前に渡航費の金額などを打ち合わせ、参加研修生に同窓会購入の航空券で来日するよう指導するなどして同窓会の利益誘導をはかった。これらは財団が収入増のため同窓会を利用したというべきである。このことに対する見解をうかがいたい。
二 財団の運営並びに経済産業省の関与について
 1 山本長昭元財団理事長は中国大連市名誉市民の称号を受け、ブルガリア、マレーシア、アルゼンチンなどから勲章を授与されている。同窓会と財団との関係を強化したのはこの元財団理事長と聞いている。この元財団理事長に関連して、ネパールに同氏の名を冠した「ヤマモト研修センター」、インドのデリーには「ヤマモトホール」、スリランカに同氏夫人の名を冠した「レイコ山本ホスピタル(病床提供)」があるのは事実か。こうした施設はそれぞれ山本氏個人の献金によるものか。あるいは財団経費が使用されているか調査報告されたい。
 2 当時の通産省は財団に対する行政指導として、過去五年にさかのぼり渡航費調査を行い、補助金等を国庫に返納させた。これら不正請求には財団関与の疑惑が濃厚だが、補助金適正化法違反で告発しなかった理由はなぜか。
 3 財団発足以来、四十年以上にわたって会計責任・担当者である会計課長・出納長のポストが旧通産省、経済産業省の天下りの指定席になっていたのは事実か。公正な監督を妨げるので改めるべきという指摘もあったが、二〇〇一年七月以来天下りが無くなったのはそうした声を受けての改善策なのか。

 右質問する。



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