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平成十四年十二月十三日提出
質問第四八号

取調べの可視性確保、密室性排除のための「録音・録画」の導入に関する質問主意書

提出者  植田至紀




取調べの可視性確保、密室性排除のための「録音・録画」の導入に関する質問主意書


 わが国の捜査手続きは、「自白」重視傾向であり、そのため、自白の強要、拘留、取調べから逃れるためのウソの供述が生じている。取調べを録音、録画することは、被疑者にとっての最大の防御であり、自白誘導と取調べ中の「事故」、「調書の改ざん」の排除が可能である。記録の客観性と正確性を確保し、公正な取調べの実現を求める立場から質問するものである。

1 過日、横浜地裁において、神奈川県警の取調べ中に被疑者が拳銃の暴発により、死亡したとする業務上過失致死の判決が出されたところである。また、少年事件においては草加事件、綾瀬事件という自白誘導による「冤罪」が発生し、痴漢行為で犯行を認めず長期拘留された方が無罪判決を得るなど、犯罪の重さを問わず、「自白偏重」の弊害が生じている。司法制度改革審議会でも、取調べの録音・録画導入が議論されたが、司法審の指摘を待つまでもなく、取調べの可視性、客観性が担保されない状況は現に存在している。「密室性」ゆえに「自白の信用性」が疑われる事例は、先進諸国で行われている取調べの「録音」または「ビデオ録画」等の「記録」が行われていれば、排除されるのではないか。
 取調べに「録音」または「録画」による記録を導入することについての認識を明らかにされたい。
2 司法制度審議会では、取調べの公正と記録の客観性、正確性の確保のため、録音、録画の導入意見が多数出されていたが、反対意見委員及び警察庁等の参考人は、録音・録画されていると、捜査官、取調官と被疑者等との「信頼関係」の構築が阻害される、被疑者等の発言が困難となる、録音、録画を意識して振る舞うなどの理由を述べている。英国では、とくに取調べのテクニックも必要とされないような軽微な現行犯の取調べでも、取調べの模様は同時録音・録画しているという。英国においても、取調べに求められるテクニックは日本と同様と思われるが、取調べの録音・録画を導入した諸外国で取調べに阻害を来している事例を承知しているのか。
3 警察・検察で、取調べの模様を録画、録音を行っている事例もあるときく。どのような事例を、いかなる目的をもって録画、録音したのか述べられたい。また、その結果、取調官との信頼関係などを阻害された弊害があったのか如何。
4 被疑者に国選弁護人がつかず、かつ弁護士が同席できないわが国の取調べ状況では、被疑者の防御が不十分という指摘がある。とくに、少年事件等、とりわけ自白に重点が置かれる事件で、取調べの公正、記録の客観性確保のために、現状改善の必要性を認識するか。また今後どのような施策をとるべきと考えるか。

 右質問する。



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