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平成十五年七月二十八日提出
質問第一五三号

国による年金財政の再計算にあたり、議論を深める上で欠かせない情報の開示とデータに関する質問主意書

提出者  保坂展人




国による年金財政の再計算にあたり、議論を深める上で欠かせない情報の開示とデータに関する質問主意書


 公的年金制度への国民の信頼を確保する上で、何より重要なことは、制度に関する厳正かつ正確な情報の開示である。
 とりわけ、将来の財政的予測を行う財政再計算においては、その前提となる本質的なデータが、年金を受け取る国民の誰にでも理解される形で開示された上、国政の場においてはもとより、広く国民レベルでの多面的、多角的な議論が展開される必要がある。
 その議論の出発点において、厚生労働省が開示した情報やデータに曖昧性が残るようでは、国民の公的年金制度への不信と不安を払拭することは到底できない。
 従って、公的年金制度に関する情報の透明性とデータの信頼性を確保し、財政的な確実性の原理を確立するという観点から、以下質問する。

一 『公的年金制度に対する国民不信の原因である様々な問題に関する質問主意書に対する答弁書』(平成十五年七月二十五日)について
 (1) 同答弁書において、「電話又は戸別訪問による納付督励の際に被保険者が納付を拒否する意思を示した場合には、納付書の送付を別扱いとする」とある。ここでいう「納付書の送付を別扱い」とは、具体的にどのような扱いをいうのか。
 また、いつから、「別扱い」は行われてきたのか。過去の「事務連絡文書」や、「国民年金保険料収納対策実施要領」等で指示した「別扱い」の内容を、それら指示文書の文言とあわせ答弁されたい。
 (2) 同答弁書の別表第一に記載されている各コンピュータ別に、それらコンピュータが使用されているコンピュータ・システムの契約金額と契約相手先企業、及び契約形態を答弁されたい。加えて、契約内容の内訳についても、ハード面とソフト面の契約に分けたうえで、詳細に答弁されたい。
 (3) 右記各契約毎における残債総額と各年度別の残債額の内訳を答弁されたい。
 (4) 同答弁書の別表第二に記載されている社会保険庁社会保険業務センターである三鷹庁舎での業務(「照会」「適用」「保険料」「短期給付」「年金給付」「その他」)、及び高井戸庁舎での業務(「照会」「年金裁定」「諸変更・額試算」「再交付」「年金給付」「その他」)の、それぞれの詳細な業務内容を答弁されたい。
 (5) 同答弁書の別表第四に記載されている「一般財源」と「保険料財源」が、昭和五十五年以降、逆転し、「保険料財源」が「一般財源」を上回っている理由を答弁されたい。
 なお、「保険料財源」を、「一般財源」を超えてコンピュータ経費に充当するにあたって、どのような原則を立てているのか、あわせて答弁されたい。
 (6) 同答弁書の別表第八(その3)に記載されている「被保険者数」を、それぞれ一号被保険者数、三号被保険者数、及び免除者数に分類したうえで答弁されたい。
 (7) 同答弁書において、任意加入被保険者に対しては、「加入可能年数を超える者等の加入を防ぐため、必要な審査を行うとともに、本人に対して任意加入被保険者制度について説明を行い、保険料納付期間の月数が満額の年金額となる数に達する時期に喪失の申出が必要となる旨を周知するよう指導する等、お尋ねのような事例が発生しないよう努めているところである」としている。
 では、具体的に、各社会保険事務所等に対して、どのような説明を行うべきと指示しているのか。とりわけ、資格喪失の申出の必要性について、どのような文書で「周知するよう指導」してきたのか。それら指示文書の作成日、表題とともに、記載内容について、答弁されたい。
二 国民年金の給付に反映されない保険料の不当徴収について
 国民年金の被保険者のうち、大正十五年(一九二六年)四月二日生まれ以降、昭和十六年(一九四一年)四月一日生まれまでの人は、いずれも六十歳になる年度の四月で、加入可能年数を満たしている。
 ところが、加入可能年数を満たした後も、五月二日生まれ以降の被保険者に対し、満六十歳になる誕生日の前月まで保険料の納付書を送付し続けていたのはなぜか。これら年金給付に反映されない保険料の不当な徴収を改めなかった理由と、その法的根拠について答弁されたい。
 なお、年金給付に反映されない保険料徴収を受けた被保険者数と、その保険料の総額を、各年度別に分類して答弁されたい。答弁にあたって、実態数字を把握していない場合は、推計値でもよい。
三 五年年金と十年年金について
 五年年金、十年年金について、制度発足から今日までの、それぞれの被保険者数、受給者数、保険料収入、運用収入、年金給付額、福祉施設事業費支出額、その他支出額、収支差引残について答弁されたい。なお、収支差引残が歳出超過の場合、その赤字を埋める財源の種類と金額を、歳出超過が発生した時点から今日まで、それぞれあわせて答弁されたい。
四 厚生省(現厚生労働省)年金局及び社会保険庁から各種国際機関に派遣してきた職員について
 過去、年金局及び社会保険庁から各種国際機関に派遣してきた職員の人数とその派遣目的、派遣費用、及び派遣のための財源を、年度別、派遣先別に分類して答弁されたい。
五 厚生労働省職員の綱紀の保持について
 厚生労働省職員の綱紀の保持について、どのような規定を設け、どのようなチェック体制を確立しているのか。その詳細について、答弁されたい。
 なお七月二十二日、社会保険庁は複数職員が監督対象の団体幹部から過去、飲食接待等を受けていたため処分を行ったとの報道があった。これらの不正に対しては、今後、どのような再発防止策を取っていくのか。あわせて答弁されたい。
六 公的年金における財政再計算の根拠データについて
 (1) 過去に行ってきた公的年金の財政再計算毎に、その前提となった経済的要素である賃金上昇率、物価上昇率、運用利回り、年金改定率を答弁されたい。
 (2) 運用収入を計算する際の積立金の額に、厚生労働省が管理運営していない民間企業の厚生年金基金の代行部分も含めるのは、まっとうな財政計算とはいいがたい。
 代行部分は現存資産ではなく、理論値であるからだ。厳密さが要求される財政再計算において、このように代行部分を上乗せすることで積立金の額を不当に三十兆円も膨らまして行ってきた理由を答弁されたい。
 (3) 今後、二〇七〇年までの、国民総生産に対する年金給付額と保険料収入の差額の比率を各年度ごとに答弁されたい。
 (4) 今後、二〇七〇年までの、老齢人口(六十五歳以上)と就労人口(二十〜五十九歳)の人口比率である依存度を、各年度ごとに答弁されたい。

 右質問する。



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