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平成十五年九月二十六日提出
質問第四号

肺炎球菌ワクチン接種に関する質問主意書

提出者  中林よし子




肺炎球菌ワクチン接種に関する質問主意書


 肺炎は日本の死亡原因の第四位で、二〇〇一年の一年間、日本では、約八万五千人が肺炎で亡くなっており、そのほとんどが六十五歳以上のお年よりである。石田直氏らが行った二〇〇〇年の調査によれば、六十歳以上のお年よりの肺炎の半分以上は肺炎球菌によるものである。
 肺炎球菌に対してはワクチンがあり、一度接種すれば、五年間は効果が持続する。アメリカにおける調査では、インフルエンザワクチンと併用した場合、全く接種していない場合と比較して、肺炎による入院は三十七%、死亡も十九%まで減少すると報告されている。このように肺炎球菌ワクチン接種をすすめることによって、高齢者の肺炎の相当部分を占める肺炎球菌による肺炎患者を減少させ、国民の生命を守り健康を増進させ、医療費の削減にも大きな効果があると考える。
 肺炎球菌ワクチンについては、平成十三年度予防接種法改正で予防接種法の対象疾患とすべく検討が行われたが、使用実績が少ないことからワクチン接種の有効性・安全性に関する十分な調査が行われておらず、医療現場におけるワクチン接種の必要性等についての論議が十分になされているとはいえないとされ、将来的には予防接種法の対象疾患として検討すべきであるが、その前提として肺炎球菌ワクチンの有効性・安全性に関する調査、患者数の把握等を引き続き行うこととされた。
 しかし、肺炎球菌ワクチンについては、米国CDC(厚生省疾病管理・予防センター)が六十五歳以上のお年よりとハイリスクグループについて「ワクチンの有効性が証明され、相当な臨床的な利益があるとして」接種を奨励し、一九九九年の調査では全米の六十五歳以上の半数以上が接種している。また、WHOでも成人健常者や幼児及び免疫の弱まったグループへのワクチンの使用は、重篤な肺炎球菌症を予防することに有効であり、ワクチン接種を推奨している。日本でも、肺炎球菌ワクチンは、十数年前に認可され一定の実績があり、全国で八つの町村、鳥取では県の助成によって三つの町村が助成制度を作り肺炎球菌ワクチンの接種を呼びかけている。
 鳥取県が補助実施に当たって取り組んだ鳥取県内市町村へのアンケートでは、導入したいと回答した自治体が五十六%と過半数を超えている。しかし、財政負担や副作用発生の際の費用負担、ワクチンについての情報不足などを理由に、実施は三自治体にとどまっている。
 したがって次の事項について質問する。

一 予防接種法の平成十三年度改正にむけての検討の中で、肺炎球菌ワクチンの効果及び副作用並びに医療経済上の観点からどのような検討を行われたのか、経過とその結果について詳細に明らかにされたい。
二 すでに肺炎球菌ワクチンが認可されてから十数年がたつが、その効果及び副作用並びに医療経済上の観点からどのような調査を行ってきたのか、調査毎に、その結果を明らかにされたい。
三 今後、肺炎球菌ワクチンを予防接種法改正の際、検討するかどうか、またそれにむかって研究するかどうか明らかにされたい。
四 肺炎球菌ワクチンの効果及び副作用について自治体に積極的に情報提供を行うべきではないか。

 右質問する。



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