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平成十五年九月二十九日提出
質問第一六号

国営岡山南部土地改良事業に関する質問主意書

提出者  中林よし子




国営岡山南部土地改良事業に関する質問主意書


 「国営岡山南部土地改良事業」は、「高梁川合同堰及び湛井十二ヶ郷用水路を改修及び幹線用水路の新設を行い、併せて関連事業として、末端用水施設の改修及び区画整理を行うことにより、経農の合理化と農業経営の安定化を図る」(中国四国農政局・事業計画書)ことを目的としている。この事業に関して、幹線用水路(パイプライン)が敷設される地域の多くの農家が反対の声をあげている。
 足守川のパイプライン化に反対する農家の主張はおおむね次のとおりである。
 a) 高梁川合同堰から湛井十二ヶ郷用水路への取水実績は、過去二〇年以上にわたり、代かき期、普通期とも、許可水量のほぼ六割であり、新たに用水量を確保しなければならない理由はない。
 b) 砂川、足守川の各井堰から取水している地域においては、パイプライン化によって用水量が減少し、ブロックに分けてあらかじめ決められた日取りで代かき、田植えなどをしなければならなくなる。このような営農形態の変化は容認できない。
 c) パイプライン化の必要性について農林水産省は、最近になって「興除地域で水不足があるのでそれを解消するため」などと説明している。しかし、興除地域へはもともと湛井十二ヶ郷の用水路が通じていない。農家に多大な苦痛と不便を生じさせ、さらに地震などによる危険をもたらすパイプライン化ではなく、興除地域へは別の送水方法を考えるべきである。
 したがって次の事項について質問する。

(1) 「足守川パイプラインを考える会」が「足守川は天井川である」という農林水産省の見解の根拠をたずねたところ、農林水産省は「『岡山県大百科事典』二六一ページの『天井川』の項に足守川の河川名がある」と回答した(本年七月二日)。この「事典」にも記載されているように、天井川とは「河川両岸の平地よりも川床のほうが著しく高い川」である。しかし、現在の足守川がそのようになっているのかどうか。河川両岸の平地(田面)と川床の高低差を表す実測データを示して明らかにされたい。
(2) 倉敷市が行った足守川からの用水流入調査(平成一四年から一年間)及び岡山地裁現地検証時の中国四国農政局の実測データ(平成一四年八月七日)は、砂川、足守川の各井堰から取水している地域のパイプライン化後の用水量は、現況より少なくなることを示している。この件に関して中国四国農政局は、「現地検証当日は樋門の操作が恣意的に行われていたので正確な実態を反映していない」と回答している(本年九月一日)。
 @ どのような状況をさして「恣意的」と言っているのか、具体的に示されたい。
 A パイプライン工事を実施する前に、現行の用水路を使ってパイプライン化後の用水量を流すことによって、今まで通りの営農ができるということを立証するべきだと考えるが、見解を明らかにされたい。
(3) 十二ヶ郷用水地区では現在、五月二〇日頃から代かきが始まり、六月一〇日頃には田植えが終了している。事業計画によると、パイプライン化後は代かき、田植えを六月一五日から二四日までの一〇日間で実施する給水計画になっている。一〇区画に分けた用水ブロックごと順番に一〇日間で代かきなどの作業を行うことになるとしている。
 @ この営農の変化(パイプライン化一般ではなく、ブロックごとに一〇日間で代かき、田植えをすること)を、どれだけの地域に説明し、どの程度の同意を得ているのか、明らかにされたい。
 A 砂川、足守川の各井堰から取水している地域の農家は、なぜこのような用水減少とそれに伴う営農の変化を受け入れなければならないのか、その理由を明らかにされたい。またこの地域の農家にとって、営農の変化等による苦労以上にメリットがあるのであれば、それを具体的に示されたい。

 右質問する。



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