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平成十六年八月五日提出
質問第六六号

憲法改正手続に関する質問主意書

提出者  土井たか子




憲法改正手続に関する質問主意書


 日本国憲法の定めている憲法改正手続(第九十六条)に関して、政府の見解をただしたく、次の点について質問する。

一 憲法改正手続条項の改変の可否について
 さる六月十日の衆議院憲法調査会において、与党の一部議員から、憲法第九十六条に定める改正手続を大幅に緩和するべきであるとの意見が相次いで出された。これは憲法の最高法規性を無視するばかりでなく、近代立憲主義の歴史的経過、近代憲法の存在意義を踏みにじるものであって、看過することはできない。しかるに、憲法改変についての政府見解は必ずしも明確でない。
 従って、次の事項について質問する。
 1 憲法第九十六条に規定されている憲法の改正手続を、緩和するために改変することは許されるのか。硬式憲法として法理上許されず、憲法第九十八条第一項、第九十九条にも違反すると考えるが、いかがか。もし、許されると考えるのであれば、その理由を示されたい。
 2 また、同条に定める国民投票は憲法改正手続上不可欠なものであり、これによらないで憲法を改変することができるとすること(同条から国民投票を規定する部分を削除すること)は、日本国憲法の定める国民主権原理の否定であって、改正の限界を超え、許されないと考えるが、いかがか。もし、できると考えるのであれば、その理由を明らかにされたい。
二 内閣の憲法改正原案の提出権の有無について
 1 二〇〇一年六月六日の参議院憲法調査会において、政府(阪田内閣法制局第一部長)は、内閣の憲法改正原案の提出権を否定する法律は違憲であると述べる一方で、しかし、仮にそのような法律ができた場合には、法律を誠実に執行する義務を政府は負うのであるからそのような規定を尊重して対処すると答弁している(第一五一回国会参議院憲法調査会会議録第九号十二頁)。
 あくまでも憲法改正に関する一切の手続は憲法第九十六条において規定されているのであって、同条でまったく言及されていない内閣には、憲法改正原案の提出権は認められない、と解釈するのが相当である。
 このような見地からすれば、右の政府答弁(阪田内閣法制局第一部長の発言)は、憲法解釈を誤った答弁と解さざるを得ないが、一体、いかなる根拠に基づいてそのような答弁をしたのか法律の誠実執行義務との関連も含めて解答を求める。

 右質問する。



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