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平成十六年八月五日提出
質問第六八号

UFJ銀行の不正融資に関する質問主意書

提出者  岩國哲人




UFJ銀行の不正融資に関する質問主意書


 世界でも有数の金融機関であるモルガン・スタンレー・インターナショナルの代表者であった杉山哲氏が一九八七年三月五日に脳梗塞で倒れ、意思能力等に著しい障害が残ったことが利用され、その後一年余りの間にUFJ銀行(三和銀行)より合計二十五億円もの金銭が杉山氏の知らないところで貸し付けられることとなった。その有効性を争った裁判において、UFJ銀行側が以下の行為を行っていることが判明した。
 このことに関して、二〇〇四年三月一日の予算委員会第一分科会において、質問を行ったところであるが、わが国の金融機関に対する不信を取り除くためにも、より厳格な監督行政が必要であると考え、次の事項について改めて質問する。

一 三和銀行の担当行員は、杉山氏が脳梗塞の治療のために入院していた一九八七年五月十五日、入院先の病院を訪れ、杉山氏の妻などの付添人がいないときを見計らって最初の消費貸借契約を締結したことが認められている。このことについて、政府は金融検査を行ったのか行わなかったのか、この事実を確認したのかしなかったのか、違法性は有るのか無いのかについて明らかにされたい。
二 前記各融資のうち、杉山氏の妻が連帯保証人となっている、一九八七年十二月十七日の六億円もの融資があるが、このとき、三和銀行の担当行員は、連帯保証の意思確認を杉山氏の妻に一切行わず、更に、同人の印鑑届を自ら作成し、更には同人と全く関係のない他人に連帯保証人の署名・押印をさせて契約書を整えた事実が認められる。このことについて、政府は金融検査を行ったのか行わなかったのか、この事実を確認したのかしなかったのか、違法性は有るのか無いのかについて明らかにされたい。
三 前記六億円の融資後、杉山氏が脳梗塞の治療のために海外渡航中の一九八七年十二月二十二日に、融資がなされた三和銀行の杉山氏の口座より四億二八〇〇万円が海外の口座へと送金されているが、当時の外為法上、大きな問題があると思われる。このことについて、政府は金融検査を行ったのか行わなかったのか、この事実を確認したのかしなかったのか、違法性は有るのか無いのかについて明らかにされたい。
四 前記裁判の当初、UFJ銀行側は、このような問題のある融資について、既に同行を退職した行員が直接の担当者であった旨主張して同人に責任を押しつけ、更には同人の所在が不明である旨強弁していたが、同人の所在が判明して証人として出頭し、自らは全く無関係であった旨明言するや、直ちに前言を撤回する態度に出た。このような訴訟方針は、とりわけ公正を重視して職務に臨まなければならない大銀行としては重大な問題があると思われる。このことについて、政府は金融検査を行ったのか行わなかったのか、この事実を確認したのかしなかったのか、違法性は有るのか無いのかについて明らかにされたい。
五 一九八七年六月二十六日、モルガン・スタンレーより杉山哲氏の口座に一億四〇〇〇万円が送金された後、同年七月二日に同送金が取り消されたことについて、UFJ銀行側より取消しを立証する書類が提出されている。同書類には、異なるフォントの文字が記載されているうえ、原本がなく、コピーしか存在しない旨UFJ銀行側が主張している。このことについて、政府は金融検査を行ったのか行わなかったのか、この事実を確認したのかしなかったのか、違法性は有るのか無いのかについて明らかにされたい。
六 杉山氏の口座名義について、従前は「DAVID S. PHILLIPS」とされていたものが、脳梗塞に倒れた後に「デービッド エス フィリップス」に変更されている。このような表記の変更は、三和銀行の行員による署名の偽造を容易にするために行われたものと思われる。このことについて、政府は金融検査を行ったのか行わなかったのか、この事実を確認したのかしなかったのか、違法性は有るのか無いのかについて明らかにされたい。(なお、杉山氏は、カタカナで表記する場合には「デーヴィッド」と書いていたもので、この変更手続き自体にも偽造の疑いがある。)

 右質問する。



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