衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成十六年十月十四日提出
質問第一八号

米軍航空機事故における現場管理及び緊急措置等に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




米軍航空機事故における現場管理及び緊急措置等に関する質問主意書


 二〇〇四年八月十三日午後二時十八分頃、米海兵隊所属のCH−五三D型ヘリコプターが、沖縄国際大学本部ビルに激突し、爆発炎上した。(以下、沖国大への米軍ヘリ墜落事故という。)
 この沖国大への米軍ヘリ墜落事故は、民間人の死傷者が出なかったのは奇跡中の奇跡であるが、沖国大や付近住民らが被った損害は甚大であり、強い怒りを覚えるものである。
 沖国大への米軍ヘリ墜落事故の責任は、普天間飛行場の返還を遅らせた日米両政府とSACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意に基づく辺野古移設に拘わってきた稲嶺惠一沖縄県知事にあり、厳しくその責任を問われなければならないと考える。
 沖国大への米軍ヘリ墜落事故を契機にわが国の安全保障のあり方、沖縄の基地負担と犠牲、国家主権の作用としての警察権の行使のあり方、日米地位協定、大学の自治など多くの問題点が浮き彫りになった。
 この質問主意書では、今宜野湾市民をはじめ圧倒的に多くの沖縄県民が強く望んでいるのは、普天間飛行場のすみやかな閉鎖・海外移設と辺野古への移設反対であることを明確にし、米軍航空機事故発生時における緊急措置等について政府の見解を質すことにしたい。
 以下、質問する。

一 一九七七年九月二十七日午後一時十九分頃、厚木海軍飛行場から洋上の空母ミッドウェーに向かって飛行中のRF−四Bファントム偵察機が、横浜市緑区荏田町に墜落炎上し、三名が死亡、六名が重傷を負う大惨事の事故が発生した。
 この事故をきっかけに一九七八年一月二十四日の日米合同委員会事故分科委員会は「基地ごとに事故が生じた場合における緊密な連絡及び調整に努めること」との趣旨の勧告をおこなった。この勧告に従って米軍基地を抱える都道府県において、防衛施設庁のイニシャティブで関係機関の協議が実施され、沖縄県においては「航空機事故等に係る緊急措置要領」が策定のうえ施行されている。
 沖縄県においても、昭和五七年(一九八二年)十二月、米軍及び自衛隊の航空機事故連絡協議会(以下、協議会という)が組織され、協議会会則等が策定のうえ施行されている。
 ついては、沖縄県における協議会会則(関係機関表、幹事会関係機関名等の別表を含む)、協議会会則第四条に基づき定められた「米軍及び自衛隊の航空機事故に係る緊急措置要領」(航空機事故連絡責任者職名表などの別表1ないし4を含む)及び「米軍航空機事故に係る連絡調整体制及び緊急救助体制に関する在日米軍司令部と防衛施設庁との間の合意事項」等の内容をすべて明確に把握した上で、沖国大への米軍ヘリ墜落事故における緊急措置、捜査活動、消防救助活動、現場対策等は、前記「米軍及び自衛隊の航空機事故に係る緊急措置要領」が厳守され実行されたか政府の見解を明らかにされたい。
二 沖縄県における協議会設置以後沖国大への米軍ヘリ墜落事故までの間に開催された臨時会を含む協議会及びその幹事会並びに沖国大への米軍ヘリ墜落事故に関する「連絡協議会」の開催された日時、場所、参加した関係機関を明確に把握した上で、政府の見解を明らかにされたい。
 尚、協議会が開催されていないのであればその理由と見解を明らかにされたい。
三 「米軍及び自衛隊の航空機事故に係る緊急措置要領」第五条第(5)項アの「死亡者及び負傷者の住所、氏名、年齢、職業並びに障害の程度及び収容先」の「死亡者及び負傷者」には、米軍事故機のパイロットや搭乗員も含むと判断するが、政府の見解を明らかにされたい。
四 沖国大における米軍ヘリ墜落事故で米軍機のパイロットや搭乗員の氏名、傷害の程度、収容先等は政府に通報されたか、通報されていないなら前項の緊急措置要領第五条に違反すると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
五 沖国大への米軍ヘリ墜落事故における緊急措置要領第五条による緊急通報の内容を「航空機事故等発生通報記録表」に基づいて明確に把握した上で、同事故における緊急通報に問題がなかったかどうか政府の見解を明らかにされたい。
六 普天間飛行場周辺における米軍航空機事故発生の場合の関係機関の任務分担は、「被害者救急救助等任務分担区分表」のとおりと理解する。それによると「現場対策」としての現場の交通整理・財産保護又は警備、現場保存等の主務機関は沖縄県警であり、「消防救助活動」としての負傷者の応急手当、負傷者救助活動、救急病院の引受確認等の主務機関は宜野湾市消防であることが明確である。ところが、沖国大への米軍ヘリ墜落事故では、これら沖縄県警、宜野湾市消防が主務機関として果たすべき「現場対策」や「消防救助活動」が米軍によって妨げられ、主権国家としてのわが国の警察・消防活動に支障をきたし、結果として現場周辺住民を恐怖に陥れることになったと考えるが政府の見解を明らかにされたい。
七 政府は、沖国大への米軍ヘリ墜落事故で、事故後の占領意識まる出しの米軍対応に県民の強い批判があることを受け、日本の警察と米軍との間で現場管理等に関する役割分担を定めた対応マニュアルを作成するよう米軍に求めていく方針である、と報ぜられている。
 私は、大事なことは日米地位協定を全面的に改正することだと考える。先に指摘した現行の緊急措置要領すら厳守されず、米軍のやりたい放題の「現場対策」「消防救助活動」がなされており、新たな対応マニュアルを作成してもその実効性は疑わしいと思わざるを得ないが、政府の見解を明らかにされたい。
 尚、政府は沖縄県を関係機関とする現行の緊急措置要領は、制定の趣旨が厳守され運用されていると考えているのかその見解を明らかにされたい。
八 航空機事故等緊急措置要領における任務分担については、同じ米軍基地を抱える都道府県においても差異があるとも報じられている。
 よって、沖縄県における「米軍及び自衛隊の航空機事故連絡協議会会則」「米軍及び自衛隊の航空機事故に係る緊急措置要領(別表を含む)」に相当する、東京都、神奈川県、山口県で施行されている取り決めの内容をすべて明確に把握した上で、都道府県においてこのような差異があることについて、政府の見解を明らかにされたい。

 右質問する。



経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.