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平成十六年十月二十八日提出
質問第三〇号

文化審議会著作権分科会の委員構成に関する質問主意書

提出者  川内博史




文化審議会著作権分科会の委員構成に関する質問主意書


 本年五月六日に提出した「文化審議会著作権分科会のあり方に関する質問主意書」及び本質問に対する政府答弁(内閣衆質一五九第八七号。以下「先の答弁」という。)等を受けて、本年八月二日に招集された文化審議会著作権分科会(以下「分科会」という。)においては会議の公開を実現したこと、前年度は権利者を代表する者が二十名中十四名という著しく偏重的な委員構成であった法制問題小委員会が学識経験者中心の編成に改められたことなど一定の改善が認められたことは、評価し得るものである。
 しかしながら、まだ疑義が残る点もあり、それらの点について質問する。

一 本年度の委員及び専門委員のうち、社団法人日本レコード協会より三名が選出されているなど一名ないし二名が選出されている他の団体と比して著しく優遇されているものと認められるが、その理由は何か。
 また、同協会は「著作権者」ではなく「著作隣接権者」を代表する団体であるが、著作権者でなく著作隣接権者をこのように分科会において優遇することについて、特段の理由は存在するのか。
二 別紙は株式会社医学書院(以下「医学書院」という。)の社告であるが、この社告の内容については平成十四年一月同社のウェブサイトにおいて告示されてから、同社より書籍を出版もしくは同社の発行する雑誌に論文等を投稿した執筆者等より、その内容を問題視する意見が相次いでいるところである。この事実を踏まえて質問する。
 1) 本件社告を告示したことにより医学書院が出版した書籍もしくは同社の発行する雑誌に掲載された論文等の諸権利を、本件社告が告示されるより以前に発行されたものを含めて同社に帰属するという権利の移転は、現行法において認められるのか。
 2) 医学書院の代表取締役社長は著作権分科会委員であるが、この社告を問題視する意見が同社より書籍を出版もしくは同社の発行する雑誌に論文等を投稿した執筆者などから相次いでいることを考えると、当該委員が先の答弁における「著作権の教育研究若しくは法務を専門とし、又は放送、美術、出版、映画、音楽、写真、文芸、新聞、情報技術産業等、幅広い分野において、著作物の権利者及び利用者の立場で、長年著作権実務に携わり、著作権法(昭和四十五年五月六日法律第四十八号)及びその実務に精通している者」との資質に適う者であるか疑義を生ずるのではないか。
三 法制問題小委員会を構成する委員及び専門委員(以下「委員等」という。)二十二名のうち、学識経験者及び弁護士選出委員について質問する。
 1) 学識経験者選出委員(主として弁護士活動に従事している者を除く。以下同じ。)等のうち、分科会に委員等が選出されている権利者等(著作権者・著作隣接権者もしくは出版事業者など、これに類する事業者。以下同じ。)により構成される団体の顧問ないし理事(以下「顧問等」という。)に就任または平成十七年度以降に当該役職への就任が内定している委員等は何名で、それぞれどの団体の顧問等に就任または当該役職への就任が内定しているかを明確に把握した上で、当該委員等の選出に当たってはそうした団体の顧問等に就任または当該役職への就任が内定しているか否か、それによって審議の内容が左右され得ることを任命権者である分科会長及び分科会長に対して委員等の構成に関して進言を行い得る立場に在る審議会事務局がどの程度考慮したのかについて政府の見解を求める。
 2) 弁護士選出委員(主として弁護士活動に従事している学識経験者を含む。以下同じ。)等のうち、分科会に委員等が選出されている権利者等により構成される団体と顧問契約を締結もしくは最近五年間にそれらの団体が補助参加ないし側面的に支援した訴訟の代理人を引き受け、或いは理事等の役職に就任または平成十七年度以降に当該役職への就任が内定している委員等は何名で、それぞれどの団体と顧問契約を締結もしくは最近五年間にそれらの団体が補助参加ないし側面的に支援した訴訟の代理人を引き受け、或いは理事等の役職に就任または当該役職への就任が内定しているか明確に把握した上で当該委員等の選出に当たってはそうした団体と顧問契約を締結もしくはそれらの団体が補助参加ないし側面的に支援した訴訟の代理人を引き受け、或いは理事等に就任または当該役職への就任が内定しているか否かによって審議の内容が左右され得ることを、任命権者である分科会長及び分科会長に対して委員等の構成に関して進言を行い得る立場に在る審議会事務局がどの程度考慮したのかについて政府の見解を求める。
四 昨年十二月八日の第十一回分科会において、委員から『最近「自分も消費者だが、消費者としても良いと思う」と発言する権利者側の委員が最近目につくが、これは例えれば電気料金の審議会で電力会社の社長が「自分も家庭では消費者だが、料金の値上げはよいと思う」と主張しているようなものである。お互いに肩書きを持って、それぞれの立場を基本に参加しているのであって、審議会で意味をなさない発言はやめてほしい。』との発言がなされている事実が議事録において認められるが、委員からこのような発言がなされているのは、先の答弁においても繰り返されている「消費者利益の観点」が欺瞞的なものに過ぎないと受け止められていることの証左ではないか。このように、現状では欺瞞的なものであるとしか受け止められていない「消費者利益の観点」を反映させるために文化庁が現在取り組んでいる、もしくは今後予定している方策があれば明らかにされたい。

 右質問する。


別紙


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