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平成十六年十一月四日提出
質問第三三号

下地島空港に関する質問主意書

提出者  照屋寛徳




下地島空港に関する質問主意書


 下地島空港は、沖縄県宮古郡伊良部町に所在する第三種空港で、設置管理者は沖縄県となっている。
 わが国では昭和四十年頃からジェットパイロットの訓練を主とする空港を国内に整備・建設する方針が検討されていた。当時、ジェット化時代を迎え、ジェットパイロットの養成が急務となりながら、国内ジェットパイロットの訓練飛行場がなく、アメリカで訓練をしていた。
 かかる背景の中で、昭和四十年六月十八日、行政監理委員会の行政監察の結果、「航空事業の発展及び航空機の高性能化に伴う操縦士の需要に対処するため、実情に即した長期養成計画を作成し、逐次その実現を図るとともに、訓練専用飛行場の確保に努める必要がある」、との勧告がなされた。昭和四十一年十月に航空審議会答申がなされ、運輸省は「国内定期航空会社及び東南アジア諸国の乗員養成需要に応ずる為に早急に国内に訓練飛行場を設置する必要がある」と省議決定し、直ちに調査を開始した。
 下地島空港建設をめぐっては、誘致派と反対派との間で流血事件まで繰りひろげられ、宮古圏域を二分する深刻な事態まで発展した。
 下地島空港は、昭和四十八年七月非公共用として設置許可されたが、その後昭和五十四年五月公共用飛行場(第三種空港)として設置許可された。昭和五十四年七月に供用開始し、同年十一月からはパイロットの訓練を開始した。
 下地島空港建設をめぐる争いは、地元をはじめ沖縄全体の開発振興に役立つものだとする誘致派と軍事利用を懸念する反対派の対立であった。下地島空港建設問題は、さまざまな経緯を経て、いわゆる「屋良確認書」で、軍事利用をしない、させないとの旧琉球政府日本政府の間の合意が成立した。
 その下地島空港を普天間飛行場の代替施設建設までの期間、暫定的に利用する案が日米両政府間で協議されているとのニュースが報じられ、宮古はもとより沖縄中が驚いている。
 以下、質問する。

一 アメリカ合衆国政府が在日米軍の再編問題に絡み、米軍嘉手納基地を自衛隊と共同使用するとともに、台湾に近い下地島の空港を「協力的安全保全拠点」と位置づけ、米軍と自衛隊の補助的な機能として活用する具体案を日本政府に提示した、と複数のマスコミが報じているが、かかる事実の有無等について政府の見解を明らかにされたい。
二 政府は、普天間飛行場の代替施設完成までの間、普天間飛行場を下地島空港に移転し、暫定的に使用する方針かその可能性検討の有無を含め明らかにされたい。
三 アメリカ合衆国政府から日本政府に対し、在日米軍再編や普天間飛行場移設問題と関連して、下地島空港を暫定的に軍事利用したいとの要求があるのか明らかにされたい。
四 下地島空港については、琉球政府行政主席屋良朝苗(当時)と運輸大臣丹羽喬四郎(当時)との間でいわゆる「屋良確認書」が交わされ、下地島パイロット訓練飛行場は民間航空訓練及び民間航空以外の目的に使用しないことが合意されている。
 「屋良確認書」とは、次の二つの文書を指す。すなわち、一九七一年八月十三日(通海第七〇二号)、琉球政府行政主席屋良朝苗から運輸大臣丹羽喬四郎宛に「下地島パイロット訓練飛行場の建設促進について」と題する照会が発出されたこと、同文書では、次の二項目につき確認が求められた。
 1 下地島パイロット訓練飛行場は、琉球政府(復帰後は沖縄県)が所有し、及び管理するものである。従って、同訓練飛行場の使用方法は、管理者である琉球政府(復帰後は沖縄県)が決定するものである。
 2 運輸省としては、同訓練飛行場に民間航空訓練及び民間航空以外の目的に使用される目的はなく、また民間航空訓練及び民間航空以外の目的に使用させることを管理者である琉球政府(復帰後は沖縄県)に命令する法令上の根拠を有しない。
 右二項目について、昭和四十六年八月十七日、総理府総務長官山中貞則(当時)、運輸大臣丹羽喬四郎(当時)の連名で琉球政府行政主席屋良朝苗宛に「下地島訓練飛行場の管理及び運営に関する琉球政府からの照会に対する政府の見解について」と題する回答書が発出され、同回答書で「政府としては、琉球政府行政主席よりの申し入れの二項目について、異存のないことを確認します。」と回答している。
 政府は、いわゆる「屋良確認書」と呼ばれる二通の文書の存在、「屋良確認書」によれば下地島空港はパイロット訓練並びに民間航空以外の使用が許されないこと並びに「屋良確認書」が現在でも効力を有するとお考えか見解を明らかにされたい。
 尚、いわゆる「屋良確認書」には効力がなく下地島空港は軍事利用も可能とする見解であらば、その根拠を明らかにされたい。
五 政府は、いわゆる「屋良確認書」が交わされた当時、「下地島訓練飛行場の管理及び運営に関する琉球政府からの照会に対する政府の見解について」と題する回答書は、「二人の大臣の署名になっておりますが、これは政府全体の見解ということであります。」と、当時の琉球政府に伝えている。政府は、いわゆる「屋良確認書」の二項目は、政府が沖縄県(旧琉球政府)に対し、誠実に履行すべきものであるとの見解に変更はないか明らかにされたい。

 右質問する。



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