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平成十六年十二月二日提出
質問第七五号

福岡県大牟田市に設置されているゴミ固形燃料焼却・発電施設の事故に関する質問主意書

提出者  赤嶺政賢




福岡県大牟田市に設置されているゴミ固形燃料焼却・発電施設の事故に関する質問主意書


 福岡県大牟田市のゴミ固形燃料焼却・発電施設(以下「RDF」という)は、稼働中の施設としては国内では最大規模で、昨年の十二月に稼動を開始したが、その直後の一月、五月、八月に五回の連続事故が発生し、四回の運転中止を余儀なくされている。同じ八月に三重県多渡市のRDFが爆発事故を起こし七人の犠牲者をだしている。RDFの稼動に対して大牟田市民をはじめ福岡県民は強い不安を抱いている。施設で働く従業員の方はもとより地域住民の生命・身体の安全に危険を及ぼし、環境を破壊し、回復不能な損害を与えかねない恐れがある。
 そもそも当該施設は、環境省がダイオキシン対策の一環として、全国の地方自治体に対して新しい廃棄物処理システムとして推奨してきたものである。しかしRDFのシステムや処理技術は、まだ確立されておらず安全性や有効性について学者等の間からも疑問が指摘されていたのである。にもかかわらず環境省は、独自の徹底した調査と実証試験による検証を実施することなく、施設の設置の推進を奨励してきたとの指摘があり、その責任が問われている。
 以下質問する。

一 昨年福岡県大牟田市のRDF及び三重県多渡市のRDFの事故概要と原因について把握していると思うが明らかにされたい。また事故調査にあたって国はどのように関与したのか。
二 大牟田市のRDF及び三重県のRDFの事故対策について、国はどのように考えているのか。また地域住民の生命・身体の安全、環境保護についての対策と見解を伺いたい。
三 環境省は、RDFのシステムと処理技術は確立されているとの考えか。もし確立されているとの考えであれば、その技術方法を明らかにされたい。また、RDFに係るシステム及び処理技術の調査、実証試験を行なったのか。実証試験を行なった主体(機関)、試験場所、試験期間、試験に使用した試料、試験方法、試験で得たデータや資料の概要を明らかにされたい。
四 大牟田市のRDFは、稼働中の事故についてはメーカーの責任で施設の修理がなされるが、修理についての補償期間が切れれば、もしその後に、施設の故障や事故の発生により施設が破壊、損傷するようなことが起こったときには、これに係る修理費用はすべて当該施設の負担となり、最終的にはこれに参加する地方自治体の負担となる。
 システム及び処理技術が確立されていないRDFの事故ということを考慮して、このような場合においてもメーカーと国の責任において負担すべきだと考えるがどうか。
五 施設の故障や事故が発生した場合に、メーカーは施設に係る技術は「秘匿」と称して、故障箇所の技術情報の細部については、大牟田市にも全く公表せず、立会人もなくあくまでメーカーが対応し、施設の修理費用の算定についてもメーカーの裁量に委ねられているのが現状である。
 施設の修理についての補償期間が切れた後については、もし施設の故障、事故による施設の破壊、損傷が起きた場合には、メーカーに対して故障箇所の技術情報等を完全に公開させるべきと考えるがどうか。また、メーカーと協力しつつも大牟田市の裁量の下で施設を運営していくのが適切と考えるが見解を伺いたい。
六 RDFは、当初予想もされなかった施設の故障や事故が連続して発生している。そのための修理費用だけでなく、その都度、施設の改善措置を講じる必要性がでてくるのは当然のことであるが、この改善措置に要する経費も嵩み、大牟田市の大きな負担となっている。このままでは、RDF運営の採算は悪化し、赤字運営を強いられる可能性がある。
 少なくともRDFの処理技術が確立するまでの間、改善措置に係る経費についても国が何らかの助成措置を講ずるべきではないか。

 右質問する。



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